基本コンセプトは、「どんな体験ができるのか」をまとめる!

 
コンセプトを考える際に、「コンセプトシート」というものを作成します。
9つの箱を用意し、真ん中に「基本コンセプト」。その周りに、「ターゲット」「立地条件」「利用動機」「消費形態」。そして、そこから「メニュー構成」「接客」「店内装デザイン」とそして「競争優位性」という項目を用意し、そこに埋めていきます。

餃子酒場の店舗コンセプトを具体化した「餃子酒場コンセプトシート」。中心に基本コンセプト「安心出来る 自分の居場所!」を配置し、ターゲット、立地条件、消費形態(客単価)、利用動機、競争優位性、サービス、店内装、メニューの8項目を写真と文章で整理。ターゲットには、39歳の営業系サラリーマン「山田貴人」という具体的なペルソナを設定し、子育て中の家庭環境や仕事のストレス、飲食店に求める安心感や居心地のよさを紹介。オフィス街の立地、手作り中華料理、スピーディーな料理提供、元気で気配りのある接客、賑やかで落ち着ける店内など、店舗づくりの方向性を明確化している。飲食店の基本コンセプトを軸に、誰に、どのような価値や体験を提供するのかを具体的に示したコンセプト設計の事例。

   
昨日、一昨日と「ターゲット」と「利用動機」の点をお伝えしました。
今回は、「基本コンセプト」について、お伝えしようと思います。
 
以前は、真ん中の「基本コンセプト」の箱の中には、「何屋」であるかを記入していました。
しかし、今は、それだけでは、「お客様から選ばれるお店」ににはなりにくく、ここの考え方がお店つくりで非常に大切になってきたのです。

 

 

 

各セルフカフェチェーンが提供するものとは?

「各業態での価値提供の違い」を比較した図解。スターバックス、ドトール、マクドナルド、コンビニの4業態を取り上げ、それぞれがお客様に提供する価値を写真とともに紹介。スターバックスは「空間」を提供価値とし、くつろげる居心地のよい時間を過ごせる場所を提供。ドトールは「手軽さ・便利さ」を重視し、気軽に素早くコーヒーを楽しめることが特徴。マクドナルドも「手軽さ・便利さ」を提供価値とし、早く簡単に食事ができることを強みとしている。一方、コンビニは「モノ」を提供価値とし、必要な商品を便利に購入できることが特徴。同じ飲食・小売業でも、お客様が求める価値は異なることを示し、飲食店のコンセプトづくりでは、自店が提供する価値を明確にすることの重要性を伝えている。

  
そこで、この今必要な「基本コンセプト」の考え方を、「コーヒー」を例にとりながらお伝えします。
今や、コンビニでも”煎れたての美味しいコーヒー”が「安く」飲めるようになりました。缶コーヒーよりも値段が安いし、美味しいからどんどん浸透し、どこのコンビニでも買えるようになりました。
 
ただ、面白いのは、これだけコンビニで質の高いコーヒーが買えることになったにも関わらず、”本業”のコーヒーチェーン(特に、セルフカフェ)が「売上を落とした」とか、「コンビニに売上を取られた」というNewsを見たことがありません。
 
 
さて、なぜ、セルフカフェチェーンは売上が落ちないのでしょうか?
それは、セルフカフェ店とコンビニの「お客様に提供する価値」の違いが両方を共存させ、売上を維持、向上させていると言えるのです。
 
セルフカフェチェーンは、市場の約60%を占める大手2社(スターバックスとドトール)の「提供価値」は次のように考えられます。

 ・スターバックス→ 「ほっとする空間(3rd Place)とこだわりのコーヒー」
 ・ドトール→ 「手軽で便利なちょっとした休憩場所」

 
セルフカフェですから、もちろん一番の「売り物」はコーヒーです。
コーヒーだけを提供する店という位置づけになると、競合が出てきた時にやることは商品力で勝負するか、または、価格で勝負することになりますね。もし、価格で勝負することになってしまうと、競合にモロ「コンビニ」がぶつかることになります。しかし、コーヒーの提供はもちろんのこと、「ほっとする空間」や「手軽で便利な場所」を提供するとなると、コンビニとの「違い」が明確になります。
 
 
つまり、「違い」が分かりやすくなると、お客様の方で「使い分け」ができるようなり、それぞれの「価値」が見えるようになるのです。

 

  

 

お客様から見ると、お店の「違い」は分からない!

飲食店の同質化(コモディティ化)と基本コンセプトの重要性を解説した図解。似たような飲食店が増え、お客様からはどの店も同じように見えてしまう問題を、ワインバルの事例で紹介。作り手側は「ワインの種類が豊富」「つまみが充実」「気軽に安く飲める」と自店の違いを主張しているが、お客様から見ると「何が違うの?」「どこでも同じでは?」と感じてしまう。このように、お客様が店ごとの違いや独自性を感じられなくなる状態が同質化であることを説明。だからこそ、単に何屋なのかを伝えるだけでなく、「どんな楽しさを提供するのか」「どんな体験ができるのか」「どんなことで共感してもらうのか」を明確にし、お客様に自店の価値を伝える基本コンセプトづくりが重要であることを示している。

   
この「お客様から見た時の『違い』」が、実は、今飲食店作りの中でとても大切なことで、作り手側からすると「違い」はもちろん分かっているのですが、お客様から見るとその「違い」は意外と分からないものなのです。
 
ですから、冒頭で話した、基本コンセプトを考える際に、大切になってきているのは、「何屋か」というだけでなく、
 
・どんな楽しさを提供できる店なのか?
・どんな体験が出来る店なのか?
・どんなことで共感してもらうのか?

 
ということも、商品つくり、接客以上に大切になってきたと言えます。
特に今は似たようなお店がたくさん増え、自分たちでは「ここが違うぞ」と思っていても、お客様から見れば、「どこが違うの?」と感じることが多々あります。
 
これを「同質化」(コモディティ化)といいます。
 
 
 
数年前、「ワインバル」という業態が非常に増えました。
作り手側からの視点から言えば、
 
「うちは、ワインの種類が豊富だ」
「うちは、ワインバルの中でも、つまみが充実している」
「うちは、ワインバルと言っても、ワインを気軽に安く楽しめる店だ」
 
と、自分たちでは「ここが違うぞ」と思っているようですが、実際には、お客様から見れば「すべて同じ」にしか見えないのです。
 
これが、作り手側とお客様側の「ギャップ」であり、この「ギャップ」が大きいお店ほど、一度はお客様が足を運んでも、何度も足を運ぶことには繋がらない理由なのです。


 
だからこそ、自店が
「何を提供しているのか」
「お客様にどんな体験をしていただけるのか」
という主張をはっきりさせることが今の時代には求められる
のです。
 
これが、今「コンセプトメイク」に求められる最も重要なことであり、それが基本コンセプトを明確にするということなのです。

 

 

 

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