数値を見るのではなく、数値から「読み取る」!

 
売上・数値管理の目的はなんでしょうか?

単に「数値が見ることができればいい」、というわけではありません。数値を眺めているだけでは、何もお店に変化を起こすことはできません。つまり、売上・利益を向上させることはできないのです。

例えば、原価率が高くなっているということが数値を見て分かったとしましょう。

しかしそれだけでは、原価率を下げることはできませんし、利益を上げることもできません。お店の毎月の原価率を常に把握することは大事なことではありますが、知っているだけでは意味がなく、高くなった理由が分かり、原価率を適正な数値にコントロールすることができてはじめて、「数値管理ができている状態」といえるのです。
 

飲食店経営における「売上・数値管理の目的」を解説した図解。タイトルは「売上・数値管理の目的とは?」。単に数値を見るだけではなく、数値から問題の原因を発見し、改善策を実行して売上・利益向上につなげることが重要であると説明している。

上部では、原価率42%という数値を確認しても、原因が分からなければ店舗は改善しないことをイラストで表現。数値確認→原因が分からない→何も変わらない、という流れと、原因分析・改善策の実行によって原価率28%へ改善する流れを対比している。「原因を特定し、適正にコントロールしてはじめて数値管理ができている状態」というメッセージが強調されている。

中央では、売上・数値管理の目的をフロー形式で整理。「数値を読み取る」→「対策を立てる」→「実行する」→「結果を確認し改善する」→「売上・利益向上」という流れを、アイコンや人物イラストを使って分かりやすく表現している。

下部では、「特に重要なのはお客様の変化を数字から読み取ること」として、客数の変化、来店頻度の変化、客単価の変化、メニュー構成(F/D比率)の変化などの数値から、お客様の評価や店舗に対する反応を分析する考え方を紹介。満足度や口コミ・評判を把握し、お客様ニーズの変化に素早く対応することが競争力向上につながることを説明している。

最後に、「数値を活用してお客様の変化を読み取り、対策し、結果を出すことが売上・利益を向上させるための数値管理の本当の目的である」とまとめられている。飲食店の売上向上、利益改善、数値分析、顧客分析、店長教育、店舗マネジメントに活用できる経営管理資料。

 
つまり、売上(数値)管理とは、店舗で起こっていることを数値から「読み取り」、そして売上、利益を上げるための対策を立て、そして結果が出すことなのです。これをまず認識しましょう。

特に重要なのは、お客様の変化を数字から「読み取る」ことです。

飲食店経営の目的は売上を上げ、利益を上げることです。売上が向上しなければ、利益が向上するはずがありません。売上を上げるためには、お客様の変化、お客様のお店に対する評価をどれだけ知ることができるかが重要となってきます。特に、最近ではお客様のニーズが多様化していますし、飲食店の競争も激しくなっています。その中で勝ち残っていくためには、やはり、どれだけ早くお客様の変化に対応できるかがポイントと言えるでしょう。そのためにも、数値から「お客様の店舗に対する評価」、「お客様の変化」を読み取ることが重要なのです。

では、どうやって「数字から読み取る」のかのポイントを以下に解説します。

 

 

1)数値を分解する  

 
数値から、「どんなことが店舗で起こっているのか」を読み取ることが、売上(数値)管理であるということは分かっていただけたかと思います。では、具体的にどのように数値を管理すれば、数値から「読み取る」ことができるのかを解説したいと思います。

まず、下記のお店の数値を見てください。これを見て、あなたは店舗で起こっていることを読み取ることができますか?
 

飲食店の売上分析において、数値だけでは問題点が見えないことを解説した図解。タイトルは「居酒屋A店の売上」。売上300万円、客数1900人、客単価1600円、原価率35%という4つの主要指標が色分けされたボックスで整理されている。

右側には「これだけの数字を見ていても、『どこに問題があって、何が悪いのか』が見えてこない」というメッセージが大きく表示されており、表面的な売上数字だけでは店舗の課題を把握できないことを示している。

売上は青色、客数は緑色、客単価はオレンジ色、原価率はピンク色で視覚的に分類され、飲食店経営における数値管理や店舗分析の重要性を伝える経営資料。数値を分解・分析する前段階として、全体数字だけでは経営改善のヒントが見つからないことを説明するスライドデザイン。

 
実は、「数値管理なんて意味がない」「売上管理なんか意味がない」と思っている人のほとんどが、上記に上げた数値ぐらいしか管理していないのです。ですから、数値をみても何も見えてこないのです。
店舗でどんなことが起こっているのか、お客様の評価がどう変わってきているのかを「読み取る」ことが数値管理のあるべき姿です。しかしながら、これだけの数値だけを見ているだけでは、何も見えてこないのです。

では、どうすれば、数値から店舗で起こっていることが「読み取る」ことができるのか?

 

それは、数値を「分解して管理する」と、店舗のことが色々と見えてくるのです。

下記に、上記の店の数値を分解したものを掲載していますので、それを見ながら具体的に説明しましょう。

飲食店の売上分析における「数値の分解」の重要性を解説した図解。居酒屋A店の売上300万円、客数1900人、客単価1600円、原価率35%という全体数値を、ランチ・ディナー、フリー客・宴会客、フード・ドリンク、男女別客数などの要素に細かく分解している。

売上はランチ売上100万円、ディナー売上200万円に分かれ、さらにディナー売上はフリー客売上150万円と宴会売上50万円、フード売上120万円(60%)、ドリンク売上80万円(40%)へ細分化。客数もランチ客数1100人、ディナー客数800人、フリー客700人、宴会客100人、男性客480人(60%)、女性客320人(40%)に分解されている。

また、客単価はランチ客単価900円、ディナー客単価2500円、フリー客単価2200円、宴会客単価3000円に分類。原価率もフード原価率40%、ドリンク原価率25%に分解されている。

「数値を分解することで店舗の実態や課題が見える」というテーマで、飲食店経営における売上分析、客数分析、客単価分析、原価管理の考え方を視覚的に説明した経営改善向けの資料。

 

どこに問題があるのかを見つけ出すことが、売上(数値)管理の大きな目的

 
「売上」と一口にいっても、例えば居酒屋であれば、「ランチの売上」、「ディナーの売上」と営業時間ごとに分解することができます。

なぜ、ランチとディナーに分けて管理する必要があるかと言えば、お店の利用形態が違うからですね。利用形態が違えば、客単価も変わってきます。

もし、売上が低迷した場合、このように営業時間帯ごとに「分解して」管理していなければ、どちらの売上が低下してきたのか、あるいは、どちらにお客様のお店の利用方法が変化してきた兆しがあるのかが見えてきません。

しかし、ランチ・ディナーと時間帯ごとに売上と客数を分解して管理していれば、どちらに売上低迷の原因があるのかが、売上や客単価という数値から「読み取る」ことができるのです。

 

 

※客単価、原価率も分解して管理する!

 
また、ディナー帯を見ても、居酒屋であれば、フリーで利用するお客様(予約なしで)と宴会で利用するお客様の売上にも分解することができます。フリーと宴会ではお店の利用方法が違いますから、客単価にも違いがでます。

一般的にはフリー客の客単価が、お客様のお店に対しての評価と言えますから、全体だけの売上、客単価だけで管理しているとお客様の変化に気づかないといったことが起こりえるのです。

通常、宴会の客単価の方が高いですから、フリー客の売上が低下していても、ある程度宴会の売上が一定している場合、客単価には変化はあまり現れないことが起こりえます。そうなると、お店のグランドメニューに対してのお客様の評価に気づきにくい、つまり、変化に早急に対応できないということに繋がるのです。

原価率に関しても、飲食店には一般的に料理とドリンクがメニューにあって、それぞれの業態によって、売上の比率が違います。原価率が高いといっても、料理とドリンクのどちらに原価率が高くなっている原因があるのかを知らなければ、原価率を下げることはできません

どこに問題があるのかを見つけ出すことが、数値管理の大きな目的です。

原価率を、フードとドリンクに分けて管理すれば、どちらに問題があるのかが分かります。問題の在り処が分かれば、それを改善すればいいわけです。このように数値を分解して管理すれば、お店で起こっている問題を「読み取り」やすくなり、また、問題の在り処を特定しやすくなるのです。そのためにも、ぜひ、数値を分解して管理するようにしてください。

それでは、どの数値を分解して、管理すればいいのかの例を紹介しておきましょう。

飲食店経営における数値管理の全体像をまとめた図解資料。タイトルは「飲食店経営の数値管理の全体像」。経営の基本である「売上 − 経費 = 利益」の関係を中心に、売上と経費をどのように分析・管理すべきかを体系的に示している。

左側の「売上」エリアでは、売上を構成する要素として「客数 × 客単価」を表示。さらに、フリー客売上と宴会売上、フード売上とドリンク売上、商品単価と出数などの項目に分解し、売上を細かく分析する考え方を解説している。下部には「お客様のお店に対する評価を示す数値」として、お客様の利用方法や来店傾向の変化を数値から読み取る重要性が示されている。

右側の「経費」エリアでは、原材料費(原価)と人件費を中心に構成されるF/Lコストを強調表示。さらに販管費、水道光熱費、地代家賃、減価償却費、販促活動費、その他の経費が整理されている。下部には「適正に経費が使用されているかを示す数値」として、経費コントロールの重要性や、特にF/Lコストは店長が管理できる経費であることが説明されている。

資料下部には、「売上を上げるためにはお客様の評価を示す数値から読み取る」「利益を上げるためには適正に数値がコントロールされているかを示す数値から読み取る」という2つの重要な考え方がまとめられている。飲食店の売上向上、利益改善、数値分析、店長教育、経営改善に活用できる数値管理の基本フレームワークを解説した図解資料。

 

飲食店経営における数値管理の考え方を体系的にまとめた図解。タイトルは「数値を分解し、その数値を日々管理することで、店舗の状態を多面的に分析しよう!」。売上、客数、客単価、原価率、人件費の5つの重要指標を、それぞれ細かい要素に分解して分析する方法を解説している。

「売上」では、客数×客単価を基本構造とし、ランチ売上とディナー売上、フリー客売上と宴会売上、フード売上とドリンク売上、商品単価と出数などに分解して売上の構成要素を整理している。

「客数」では、新規客と固定客、男性客と女性客に分類し、来店客層やリピート状況を把握するための分析項目を示している。

「客単価」では、ランチ客単価とディナー客単価に分け、さらにディナー客単価をフリー客単価と宴会客単価に細分化している。利用シーンごとの売上構造を分析できる内容となっている。

「原価率」では、フード原価率とドリンク原価率に分解し、商品ごとの利益構造を把握する考え方を示している。

「人件費」では、社員人件費とアルバイト人件費に分類し、人件費管理の基本構造を整理している。

売上向上、利益改善、客数分析、客単価分析、原価管理、人件費管理など、飲食店の店長や経営者が店舗の現状を数値から読み解き、経営改善につなげるための数値分析フレームワークを視覚的にまとめた経営管理資料。

 

 

 

2)比較対照する

 
数字からの読み取るための1つ目のポイントは、数値を分解すること。そして、どの数値を分解して管理すれば、店舗で起こっている問題点を読み取りやすくなり、問題の在り処を発見しやすくなる、ということが分かっていただけたかと思います。

しかし、ただ見る数値が分かっても、それだけでは、何が問題なのかが分からないのです。

飲食店の数値管理における「比較対照」の重要性を解説した図解。タイトルは「比較対照することの重要性」。店舗の問題点やお客様の変化を発見するためには、数値を分解するだけでなく、比較する基準を持つことが必要であると説明している。

上部では、「原価率が40%と聞いてどう感じますか?」という例を紹介。飲食店の原価率は30%前後が一般的という基準があるため、40%という数値を見て「高い」と判断できることを、棒グラフを使って分かりやすく表現している。また、「比較する基準がなければ問題は見えてこない」というメッセージを強調している。

中段では、「比較対照する数値」を持つための2つの方法を紹介。

1つ目は「店舗の適正値を設ける」。店舗の戦略や業態に合わせて目標値(適正値)を設定することの重要性を説明している。例として、手作り感を重視する店舗では、目標原価率25%、目標人件費率30%を設定し、F/Lコスト(原価+人件費)の管理を行う考え方を示している。

2つ目は「直近6ヶ月の数値の推移をチェックする」。折れ線グラフを用いて数値の変化を継続的に観察し、お客様の変化や店舗の問題を早期発見する重要性を解説。おすすめメニューの変化や商品構成の変化が客数や客単価に影響を与えるため、毎月数値を確認し、原因を検証することが大切であると説明している。

下部には、「比較対照する数値を持ち、日々の数値を管理・分析することで、問題の在り処を発見し、素早く改善につなげることができる」という結論がまとめられている。飲食店経営における数値分析、売上改善、利益管理、F/Lコスト管理、店舗改善の考え方を分かりやすく解説した経営管理資料。

 
ここで、皆さんに質問があります。

皆さんは、あるお店の原価率が40%と聞いて、どう感じますか?

少し考えてみてください。
恐らく、多くの人が、「高い」と感じるはずです。


では、なぜ原価率40%の店の原価率が高いと思うのでしょうか?

それは、多くの人が飲食店の原価率は30%程度に抑えるべきだということを知っているからなのです。30%という比較対照する数値があるからこそ、40%という数値を聞くと、「高い」と感じるわけです。

これと同じことが日々の数値管理でも言えます。ただ、数値を分解していても、何が問題なのかが見えてきません。また、お客様の変化にも気づきません。つまり、「比較対照する数値」がなければ、何が問題なのかが見えてこないのです。

そこで次のようにすることで「比較対照する数値」を持つようにしましょう。

 

①店舗の適正値を設ける!

先ほどの原価率の話に戻れば、原価率は別にすべての業態、店が30%にする必要はありません。店舗の戦略や業態によって、各店舗原価率は違います。つまり、自店の戦略と絡めて、自店の「目標値」(適正値)を設定するのです。

例えば、原価率で言えば、自店のコンセプトが「手作り感」を重視するとしましょう。そうすると、「手間」を掛けるわけですから、その分原価率を低く設定することが可能です。しかし、「手間」を掛けるわけですから、「人」にはコストがかかります。

ですから、このような店の場合は、

・目標原価率:25%

・目標人件費率:30%

といった具合に設定をするのです。

飲食店の場合は、経費の50%近くがこの原価と人件費で占めますから、如何にこのF/Lコストをコントロールするかが、「儲ける」ためのポイントとなりますが、その目標値を設定していなければ、店舗のスタッフもどの程度に抑えていいかが分かりません。ですから、上記のように店舗の戦略と絡めて、経営者が「目標値」(適正値)を設けてあげることが重要なのです。 

 

 

②直近6ヶ月の数値の推移をチェックする

最近、私のクライアントさんを見ていて感じることがですが、お客様の変化が非常に早いということです。お店の微妙な変化にすぐに反応するようになってきていると感じています。

例えば、メニューが半年から10ヶ月程度何も変化しないとすぐに客単価やF/D比率に変化がでたりなどします。また、おすすめメニューが1ヶ月近く何も変化しないとそれが、客数の鈍化に繋がったりなど・・・・。

本当に飲食店経営をする側からすると、とても厳しい時代になっていると言えます。

しかし、上記の点に素早く気づくことができたのは、数値の推移をしっかりとウォッチし、なぜ、そのような変化に繋がったのかを仮説・検証するという作業を毎月きちんとこなしていたからこそ、その変化にいち早く気づきそして対応した結果、売上が低迷する時期を短く抑えることができたのです。

これまでは、売上管理というと「前年対比」と言って、前年に比べて今年はどうだったかという比較をしていましたが、現在は前年と比較することはほとんど意味がありません。

なぜなら、多くのチェーン店が「前年割れ」をしている状況で、対前年のみの比較だけでは、変化の早い今の時代に対応することができないからです。

素早くお客様の変化に気づくようにするためにも、最低直近6ヶ月の売上推移を毎月ウオッチし、もし、前月に比べて数値が変化していれば、どうしてその数値が変化したのかをしっかりと検証するようにしましょう。

 

 

 

まとめ

 
「数字をみても売上なんか上がらないよ」「売上(数値)管理で、売上上がるとそんな楽なことはないよ!」とおっしゃる方がよくいらっしゃいますが、それは単に「正しい数値の見方」を知らないだけなのです。「正しい数値の見方」ができれば、必ず売上・利益を向上させることは可能なのです。

なぜなら、店舗で起こっていることが、すべて数値に反映されるからです。

正しい売上(数値)管理を行うことができれば、店舗で起こっている問題点を素早く発見することができます。早く問題点に気づくことができれば、早く対応することができますから、売上の低下を最小限にとどめることができ、それが売上UPにも自然に繋がります。また、正しくコストも管理することもできますから、儲かるようにもなるのです。

ですから、「正しい売上(数値)管理」をすることができれば、売上・利益を向上させることができるのです。

 

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