あなたの会社のスタッフは「ロボット化」してないか?

 
「店長の業務負担を減らしたのに、現場のスタッフはなぜか活力を失っている…」そう感じていませんか?

実は、良かれと思って進めた業務軽減策やシステム化こそが、現場の「考える」仕事を奪い、スタッフのやりがい(モチベーション)を破壊している可能性があります。あなたの店のスタッフは、ただの作業をこなす「ロボット」になっていませんか?

 

  

人がイキイキと働くための4つの要素

飲食店スタッフがイキイキと働くために必要な4つの要素を解説した図解。「その仕事が好き」「自分に決定権がある(裁量がある)」「自分を成長させてくれる」「自分の成長を感じることができる」の4項目を、飲食店の現場写真とともに紹介している。料理を楽しそうに作るスタッフ、自ら考えて店舗運営に関わるスタッフ、新しい技術や知識を学ぶスタッフ、成長を実感しながら接客するスタッフの様子を通じて、主体性や成長実感が働きがいにつながることを表現。スタッフ教育、店長育成、人材育成、エンゲージメント向上、モチベーション向上、働きがいのある職場づくりが、お客様満足と店舗成長につながることを伝えるイメージ画像。

 
人が高いモチベーションを持って働ける状態というのは、

・その仕事が好き
・自分に決定権がある(裁量がある)
・自分を成長させてくれる
・自分の成長を感じることができる

といった要素を実感できたときではないでしょうか?

もし、現場の店長やスタッフが、これらの要素を日々感じることができれば、きっと彼らは誰もが認めるほどイキイキとお店で働けるでしょう。そして、そうしたスタッフが多い店には、自然とお客様も集まるはずです。

 

 

  

「考える」仕事が現場から奪われていないか?

 
しかし、最近は、上記の中で特に「自分に決定権がある(裁量)」という要素を店長やスタッフに委ねることが難しくなってきている、あるいは、経営側が意図せずとも「奪う」ような構造になってきているのではないかと私は感じています。
 

飲食店のスタッフ教育と人材育成について解説した図解。「考えるということを意図せずスタッフから奪っていないか?」をテーマに、左側では本部主導の標準化やシステム化によって、メニュー開発、販促戦略、数値分析、店舗改善、シフト編成などの“考える仕事”が現場から減少していく構造を表現。下部には、指示された業務だけを行う定型業務中心の状態を描き、「考える余地がない」現場の様子を示している。右側では、商品開発や店舗改善、数値分析などに主体的に関わるスタッフが意見を出し合うミーティング風景を配置し、「考える仕事を取り戻す」ことで、自分のアイデアがお店の成果につながる実感や成長実感を得られる様子を表現。飲食店経営における店長育成、スタッフ教育、主体性向上、モチベーション向上、組織づくりの重要性を伝えるイメージ画像。

 
これは、様々なテクノロジーの進展や働き方の変化の影響により、店長やスタッフの「考える」仕事を意図的に、あるいは結果的に除外してきたことが原因だと私は考えています。

もう少し詳しく説明しましょう。
  
ここでいう「考える」仕事を除外するとは、店長やスタッフが自ら判断を下す仕事、例えば、メニュー開発、販促戦略の立案、数値の分析と改善計画の策定、店舗運営の仕組みの改善、シフト編成といった業務を、最近は現場スタッフに任せる機会が少なくなってきたということです。

これらの仕事を現場に任せなくなったり、あるいは、テクノロジーが進展し、機械(システム)が自動で処理する(売上入力・管理、自動シフト作成など)ようになり、その「考える手間」自体がかからなくなってきたからです。

もちろん、すべての店舗がそうというわけではありませんが、会社の規模が大きくなればなるほど、現場スタッフの仕事は、「毎日のオペレーション(日々の定型業務)」だけに限定されてきているような気がします。

その中で、仕事の本質的な楽しみを見つけることができれば良いのですが、毎日のオペレーション、つまり、日々の営業だけでは、ただひたすら料理をつくったり、料理を運んだりするだけの仕事になり、「ロボット」と変わらない状態だと言っても過言ではないでしょう。

 

 

環境改善が進んでも「疲労」を訴える理由

飲食店のスタッフ教育と働きがいについて解説した図解。左側では「働く環境は改善されている」として、「休みは増えた」「労働時間は短くなった」をカレンダーや時計のイメージとともに紹介。中央には疲れた表情の飲食店スタッフを配置し、「疲労が…」「疲労が溜まってきています…」という現場の声を表現している。右側では、その原因として「『考える』仕事がほとんどない」「『日々の営業』しかしていない」「頭を使う仕事が少ない」の3つを整理。飲食店経営における店長育成、人材育成、スタッフ教育、主体性向上、働きがいづくりの重要性を伝えるイメージ画像。

 
だからでしょうか、最近、特に強く感じるのは、どの店舗を訪れても現場スタッフから、

「疲労が・・・。疲労が溜まってきています…」

という言葉を耳にすることです。 確かに、売上データなどを見ると、忙しく大変であることは理解できますが、私たちが現場で働いていた昔の話をして恐縮ですが、現在の方が休みも増えています(週休2日の店が増えました)し、1日の労働時間も短縮傾向(8時間前後が標準になってきました)にあります。

明らかに、私たちが現場で働いていた頃よりも、「働く環境」は大幅に改善されているはずなのです。
にも関わらず、「疲労が…、疲労が…」と自分たちの大変さばかりをアピールするのは、逆に、「考える」仕事がほとんどなく、「日々の営業」しかしていない(頭を使う仕事が少ない)からなのではないかと思うのです。

 

 

飲食業最大の醍醐味:「即座に結果が出る」体験

 
私は、飲食業で働く最大の醍醐味というのは、

「自分で考え、決断し、そして、それが結果(お客様の笑顔や売上)としてすぐに現れること」

だと確信しています。自分で考えた料理がお客様に喜ばれたり、自分が考えた売上対策が功を奏してお客様が増え、売上が向上したり、などなど、「自分で考えた」ことが結果として肌で感じられることこそ、一番の醍醐味だと思うのです。

少し話は変わりますが、 私は、コンサルタントの仕事をする前に、大学卒業後、約2年間「半導体の営業」の仕事をしていました。

飲食業との一番の違いは、「結果がすぐにでない」という点です。 半導体の営業というのは、仮に営業に成功したとしても、それが売上という結果になるのは、3年後、5年後だからです。半導体は新商品の基盤となる部分なので、製品となる何年も前から、仕様等を決めていくため、採用されたという「結果」は出ても、「売上」という結果には数年待たなければならないのです。

しかし、飲食業は違います。対策を打てば、うまくいけば3か月程度で結果がでます。だから、「考えたこと、行動したことがすぐに結果として感じられる」ので、それが仕事をしていて最も楽しいと思える瞬間だと私は思っていました。

その代わり、営業内容が悪い(例えば、味が落ちる、接客が悪くなるなど)とか、動きが悪い(メニューが変わらない、店に変化がないなど)と、これまたすぐに結果(売上が下がる)にでてしまうという怖い側面もあります。

  

 

令和の時代に「醍醐味」を伝える仕組み化を

 
この気持ち、この思いは、今も変わっておらず、「考えたこと、行動したことがすぐに結果として感じられる」ということを、今の現場の店長やスタッフにも強く感じて欲しいという信念を持っています。

そのため、研修や会社の仕組みの中に、できるだけ「考える」「決定する(裁量を持つ)」という要素を少しでも組み入れようとしているのです。
 
 
ただし、今は、「令和の時代」です。
働き方も今の時代に合わせないといけないと思いますし、それに合わせた効果的な仕組みを作る必要があります。

その中で、店長やスタッフに、私が感じていた「飲食業の醍醐味」を少しでも体験できる仕組みを作り上げることが、人がイキイキと働ける最大の要因となり、これがお客様を呼び、そして、売上という結果に現れたり、「ここで働きたい」と働き手を増やすことにも繋がるでしょう。

 

 

現場に「考える要素」を取り入れる具体的な方法


そのためにも、現場の仕事に意図的に「考える要素」を取り入れるようにしましょう。

飲食店スタッフがテーブルを囲み、商品企画や店舗改善について話し合うミーティングの様子を中心に、「現場に考える要素を取り入れる具体的な方法」を解説した図解。左側には「商品開発でアイデア出しや企画を考えさせる」「接客に自分たちの考えを取り入れる」「お客様の笑顔につながる改善を実施する」「数値の背景を考える仕組みを作る」などの具体例を掲載。右側には「その仕事が好き」「自分に決定権がある」「自分を成長させてくれる」「自分の成長を感じることができる」といった、スタッフが仕事にやりがいを感じる要素を整理している。飲食店の人材育成、店長教育、スタッフ教育、主体性向上、モチベーション向上の重要性を表現したイメージ画像。



・商品開発であれば、アイデア出しだけでもやらせる。あるいは、商品の企画を考えさせる
・接客も、ただマニュアルをこなすのではなく、自分たちの考えを少しでも取り入れる部分を残す
・お客様の笑顔につながる、店の改善を一つでもいいので毎月実施する。
・数値もただ入力するだけでなく、「なぜ、そうなるのか」を考えることを強制する(仕組み化する)。

 
などなど、スタッフ個々のスキル、経験に合わせて、こういった部分をひとつでも取り入れて(仕組み化して)欲しいのです。
 
 
そして、会社側は少しでもスタッフに対して、上記のプロセスで成功体験をさせてあげて欲しいのです。それができれば、冒頭に書いた、
 
・その仕事が好き
・自分に決定権がある(裁量がある)
・自分を成長させてくれる
・自分の成長を感じることができる


以上のことをスタッフに感じさせることができるでしょう。
 
つまり、「考える」要素を現場に取り入れ、それを深めていくことこそが、スタッフをイキイキとさせ、それが結果として、お客様と働くスタッフを呼び寄せることになり、会社を成長させることに繋がるのです。
 
 
さて、どんなことからスタッフに「考えさせる」をいい意味で強制させていきますか?

 

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