「行動量を増やす」仕組みが、あなたの会社にはありますか?

 
規模が小さいからこそ、行動量を増やしやすい。私は、これこそが小規模な飲食企業にとって最大の武器になると考えています。

店舗数が少ないうちは、「社長が判断して、すぐに行動する」という流れが常です。しかし、規模が大きくなるにつれ、現場で実行したいことがあっても、マネージャー、部長、専務、そして社長……と判断を仰ぐ階層が増え、必然的に行動スピードは鈍化していきます。もちろん、すべての判断を社長が行うわけではないでしょうが、特に費用がかかる案件に関しては、こうした決済のプロセスを避けては通れなくなります。

私は、売れる店や業績の良い会社の特徴は、一に「行動量が多いこと」、そして二に「行動と決断スピードが早いこと」にあると確信しています。

「行動量が多い」ということは、それだけ多くの策を次々と打っているということであり、店や会社にポジティブな変化をもたらす機会が増えます。「行動量が多いからこそ、売上が上がる」と言っても過言ではありません。

また、「行動とその決断スピードが早い」と、たとえ打った対策が失敗だったとしても、すぐにやり直しや修正が可能です。だからこそ、失敗を失敗のまま終わらせず、最終的に何らかの成果に結びつけることができるのです。このサイクルをスピード感を持って繰り返すことが、店の質を高め、お客様の満足度を向上させることに直結します。

 

 

 

「小手先の対策」ではなく「原理原則」に沿った行動を

 
ただし、「何でもいいから闇雲に行動すればいい」というわけではありません。 店や会社の「軸」に沿った、そして「原理原則」に則った行動を取ることが極端に重要です。思い付きだけの行動で結果が出るほど、甘い世界ではありません。

以前、あるご支援先の社長さんで、行動自体は非常に早いのですが、その根拠がことごとくズレていて苦慮したことがありました。その方は勉強熱心ではあったのですが、YouTubeなどの情報に頼りすぎており、どちらかと言えば小手先の対策や、一見聞こえが良いだけの原理原則から外れたものばかりを参考にされていたようです。

結果として良い成果には繋がらず、その「ズレた行動」をいかにして止めるべきか、私自身も非常に頭を悩ませた時期がありました。

 

 

 

「行動量」を圧倒的に増やす”4つの仕組み”

では、具体的にどのようにして「行動量」を増やし、仕組み化していくべきか。私が実際にご支援先で導入し、成果を上げている具体的な行動例をご紹介します。
 

1) 課題解決型PDCAのサイクル

ただ漫然と営業するのではなく、店ごとに「今月の課題(お客様の不満足解消など)」を一つ設定します。 課題設定 → 行動計画 → 実行 → チェック → 見直し → 進捗確認 このサイクルを回します。課題はマネージャーの臨店チェックや覆面調査の結果を活用し、スタッフ全員で共有して改善に取り組みます。
 

2) 個人のスキルを上げる目標設定

店長やスタッフが日々「目標設定 → 振り返り → フィードバック」を繰り返します。 成長している店では、このサイクルを毎日実施しています。一人ひとりの振り返りの精度が上がることで、組織全体のスキルが底上げされます。
 

3) 毎日5分の接客ロープレ

接客シーンを細かく分解し、その中の1シーンだけを1週間徹底して練習します。朝礼や終礼時のわずか5分。毎日積み重ねることで、お客様への対応力は劇的に向上します。
 

4) 季節・お薦め商品の共同開発

メニュー開発を料理長任せにせず、全員でアイデアを出し合います。 過去のご支援先では、毎月5品の新作を、まかないを活用しながらスタッフ全員で試作・開発している店もありました。自分たちが関わった商品だからこそ、自信を持ってお客様にお薦めできるようになります。

 

 

 

「大企業病」を回避し、機動力を最大化させる

改めて冒頭の話題に戻りますが、私が多く支援している10店舗未満の会社において、売上の良い店や成長する会社は、例外なく「行動の量とスピード、そして決断の早さ」が圧倒的です。だからこそ、売上も好調を維持し、会社も健全に成長していけるのだと思います。

一方で、たまに30店舗ほどの規模になった会社を拝見すると、行動量が少なく、決断も非常に遅くなっているケースが見受けられます。このスピードの欠如こそが、組織を膠着させている一番の原因ではないかと感じることが多々あります。

規模が小さい時は「社長の一声」で即座に動けていたものが、少しずつ規模が大きくなると、いわゆる「船頭」が増えていきます。関係各所の声を聞きすぎるあまり、決断スピードが極端に落ちてしまう。これがいわゆる「大企業病」の始まりです(大企業ほどの規模感ではなくとも、性質は同じです)。

もちろん部下の声を聞くことも大切ですが、会社のトップである社長や専務が「これをやりたい」と確信したことは、即座に実行に移すべきです。現場の役職者の意見を汲み取りすぎて足踏みしていては、いつまで経っても会社を前進させることはできません

 

 

 

今すぐ「行動のサイクル」を仕組み化しよう

逆に言えば、10店舗未満の会社はこの「行動量と決断スピード」を最大の武器にできるポジションにいます。これは小規模だからこそ享受できる特権であり、社長が決断したことを、極端に言えば翌日や翌々日から現場で形にすることも可能なはずです。

何度も繰り返しますが、行動の絶対量が多いからこそ、売れる店になり、成長する会社になれるのです。

そのためには、以下の2点が不可欠です。

1:会社の軸を明確にしておくこと(やるべきことを可視化する)
2:行動のサイクルを社内に構築すること(PDCAの仕組み化)

さて、あなたの会社には、この「行動量を増やす」ための仕組みは整っていますか?