(10)社員との”直接のコミュニケーション”を大切にする
組織を運営していく以上、コミュニケーションが重要であることは言うまでもありません。なので、ここでは、「どんな」コミュニケーションを取ることが、会社を成長させることに繋がるかについてお伝えしたいと思います。
最近はSNSや各種アプリなどによって、コミュニケーションの取り方が多様化してきました。また野球の話で申し訳ありませんが、日本ハムの新庄監督は、直接選手と話すことは稀でも、SNSを使って、選手にメッセージを送ることで選手に発破をかけたり、フォローしてあげたりしているようです。
私の経験上、成長している会社の社長さんほど、「直接」のコミュニケーションを大切にされていると感じています。また、そのコミュニケーションも1回あたりの長い時間(例えば、数か月に1度の1時間程度の面談のようなもの)よりも、月に何度か頻繁にコミュニケーション(「元気かと」か、「調子どうや?」みたいな感じ)を取っている方が、社内もどこか雰囲気が明るく、風通しの良い会社になっていると感じています。
私は、社長がとるべきコミュニケーションと部長や店長がとるべきコミュニケーションは違うと考えています。
現場でアルバイトやパートさんとの間に必要なコミュニケーション、つまり、店長がとるべきコミュニケーションは「関係性を深める」ためのものです。
いい意味でアルバイトやパートさんとの距離感を縮め、距離感が近いからこそ、時には厳しいことが言えたり、何か頼みごとがあった場合にお願いしやすくなります。
このあたりを最近のスタッフは分かっていない人がいるので、「厳しいことが言えない」とか、「注意する方法を考えないとパワハラになる」とかわけの分からないことを言うことになるのです。
もちろん、今の時代、相手との関わり方、言動や行動で気を付けるべきことは昔よりもたくさんありますが、ある程度の関係性ができていれば、それはいい意味で「好意」にとられるはずです。しかし、距離感を考えずに、また、その場の空気感などを考えずに言ったりするので、問題になるのです。
では、社長にはどんなコミュニケーションが必要なのか?
私は、「社長(自分)のことを話すこと」と「相手のことを見ている」というコミュニケーションが求めらていると思います。
部下である社員は、社長が何を考えているのか、つまり、会社の現状や今後会社をどういう方向に進めようとしているのかを知りたがっています。
先日の投稿でもお伝えしましたが、部下は、トップである社長しか見ていません。なので、社長がどう考えているのかをとても知りたがっているのです。
正直、この辺りを社員に伝えたところで、社員のモチベーションや行動は全く変わらないのですが、これをきちんと伝えておくことで部下からの言い訳を避ける意味合いもあります。
これに関しては、1対1というよりも、全社員が集まった場で、自分の思い、考えを定期的に発信していくといいと思います。
昔、私が働いていた会社では、月に1~2回全体会議というのがあり、そこで、必ずトップである社長が自ら話をされる機会が必ずありました。今の現状、これから、最近の気づきなど、毎回5分ぐらいだっと思いますが、そういった話をされて、部下である私はすごくうれしかったような気がします。やはり、トップの話を直接聞けるというのは、部下にとってはとてもうれしいものなのです。
ですから、できれば、社員全員に自分の意見、考えを発信できる機会を設ける(全体会議や勉強会など)ことをお勧めします。
もう一つの、「相手のことを見ている」ついては、できればSNSなどを使ってコミュニケーションをとるのではなく、直接のコミュニケーションを、社長ほど取ってあげた方がいいと思います。
先ほども述べましたが、やはり、皆、トップである社長しか見ていません。その人と定期的に合って直接声をかけられることはとてもうれしいことですし、それだけ「気にしてくれている」と感じることができます。
店舗数が増え、人数が増えれば、なかなか難しくなりますが、可能な限り、店舗への訪問を行い、社員に直接声をかけてあげてください。また、直接合って話をすることで、相手の表情やふるまい、雰囲気から、その社員の気分的なものも感じることができると思います。
なので、SNSやアプリは、直接のコミュニケーションの補完的なものとして活用するのがいいのではと感じています。
最近は、新庄監督ではないですが、SNSやアプリなどのツールでコミュニケーションを取っている方も多いですが、なかなか本音が伝わりづらく、また、いくら絵文字等を使うからと言っても文章なので冷たく感じる部分もあります。
基本は、直接での接触を基本とし、上手くSNSやアプリなどを使うとより社員のモチベーションが上がったり、関係性が深まるのではと思います。
逆に言えば、SNSやアプリだけでのコミュニケーションでは、社員のモチベーションや関係性は深まらないと思います。
この辺りを意識しながら日々コミュニケーションを取っていければ、社員の空気感はいいものになると思います。