(9)「あるべき姿の上書き」をするためにもマーケティングの知識を高めよ!

前回の投稿で、「店の『あるべき姿』を共有し、『あるべき姿と現状のギャップを抽出(それが問題)』し、問題解決することが、マネージャーの仕事」であるとお伝えしました。
 
基本的に、マネージャーの大きな仕事は、店舗の管理、つまり、店のブランドを維持することであり(それが顧客満足に繋がり、売上という結果に現れます)、また、利益をだすためも数値管理を順守させることも大きな仕事でもあります。
 
 
それとともに、マネージャーには求められるものがあります。
 
それは、前回の投稿での最後にもお伝えしましたが、「あるべき姿を上書きする」ことです。「あるべき姿を上書きする」というのは、さらに、顧客満足度を高め、より売上を上げるために、店舗の質や顧客体験を向上させることを指します。
 
なぜ、「あるべき姿の上書き」が必要かと言えば、、現状をただただ維持するだけでは、売上はいつか低下してしまうからです。よく、「現状維持は退化!」と言いますよね?
 
もちろん、お客様が求めているものを期待通り提供することも売上を維持するには重要なことですが、”いつも同じ”で、”いつも変わり映えしない”と、お客様は”いつの間にか”店をスイッチしてしまうのです。
 
定期的に新商品を提供したり、定期的に何かイベント的なことをしたり、店の接客のやり方を見直したりなど、常に、「進化」していないと、いつの間にか店の売上というのは低下するものなのです。
 
 
だからこそ、「あるべき姿の上書き」が必要、つまり、店を「進化」させることが必要になりますが、そのためにも、マーケティングの知識が必要だと私は考えています。
 
基本的にマネージャーをやっている人というのは、既存業態の店長として働き、マネージャーに昇格している人が多いはず。すなわち、新業態を立ち上げるという経験が不足しています。
 
新業態の経験が少ない(ない)と、どうしてもメニュー構成を考えたり、サービス(接客面)を見直したりすることの経験値が低いものです。そのため、少し売上が下がってくると、すぐに、販促することだけが改善策として実施しがちなのです。(メニューの見直しや接客改善はどうしても苦手なため)
 
 
例えば、価格を変更するにしても、単に、価格を上げるだけでは売上は低下する可能性があります。
 
・自社業態のターゲットは誰か?
・どんなシーン、利用動機で利用できる店か?
・自社業態の強みは何か?
・同業他者と比較して、商品力や接客力はどこで優っているか?
 
などなどを加味して、価格を検討することが求められます。
価格を上げるのであれば、自社のターゲットにはどこまで上げて大丈夫か、それとも、価格を上げるより、客層を広げることで売上アップをはかるべきかなど、考えることはたくさんあります。
 
 
創業社長は、この辺りを感覚的に行ってきた部分もあり、また、創業社長ほどこの「感覚」が非常に優れている人が多いのも事実!
 
しかし、普通の人はこれをマネることは不可能であり、それこそ、社長のマネのようなことをやっても失敗するだけです。
 
そのためにも、正しい知識を身に着けるべきで、特に、マーケティングの知識を得ることをお薦めしています。このマーケティングの知識というのは、基本的に「原理原則」であり、この原理原則を学んでおけば応用も効き、色々な場面を迎えても、この原理原則に沿って考えれば何らかの策を立てることができるでしょう。
 
 
マネージャーになるということは、今後、会社を引っ張っていく存在になれる可能性が高い人です。となると、業態のトップになって自業態を見直したり、あるいは、新業態の担当を任される時もあるでしょう。
 
その時に、アタフタしないためにも、マネージャーである人は、マーケティングの勉強をして欲しいと思いますし、会社としてもその勉強をさせることにも力を入れて欲しいと思います。