●自分の店を「ブランディング」するために必要なこと
例えば、「ハンバーガーの店と言えば?」と質問されれば、みなさんの心の中には、きっと多くの人が「マクドナルド」と想起するでしょう。これがマクドナルドが”ブランドを構築している状態”といいます。
ただし、これは、マクドナルドの店舗数が多い、企業規模が大きいからできるというのではなく、小さな店でも「友達とお酒を飲むなら?」と想起した場合に、お客様の頭の中に「あなたのお店」が想起されるなら、それはあなたのお店が「ブランドが構築されている状態」と言えます。つまり、お客様の頭の中の、検索1位になることがブランドが構築されているという事なのです。
ブランドの構築を行うことが「ブランディング」であり、「ブランディング」は、2つの側面から行う必要があるそうです。
その2つの側面とは、「外向き」と「内向き」。
「外向き」とは消費者や顧客、取引先、地域に対してのブランディングで、これを「エクスターナルブランディング」というそう。
「内向き」とは社内でブランドの価値観を共有し、社員の意識や行動をブランドの方向性と合わせていこうとする取り組みのことをいい、これを「インターナルブランディング」というそうです。
つまり、通常、ブランディングというのは、「外向け」、顧客・消費者に対して行うものだけと思いがちですが、「内」、つまり、すべてのスタッフが、自店がどういう思いで店を経営しているか、どういう価値を提供しているのか、商品や接客はどういう思い、方向性から行っているのかを理解し行動していなければ、ブランド価値を低下させることにつながるということです。
ブランドは「信頼」という意味合いもあり、お客様の「信頼」を裏切るような運営をすると、お客様は店のブランド価値が低下し、お客様から「選ばれなくなる」ということでしょう。
これは、例えば、「価格ではなく価値を売ろう!」という方向で店を経営しているのに、現場がそれを意識することなく、「安売り」を行ってしまったり、他には、「大人のお店」として顧客に認知してもらおうとしているのに、店に行くと音楽がAKBのようなポップスを流していたり(本来は大人の人がゆったりと時間が過ごせるようにジャズを流すはずだったのに・・・)、照明も明るくて、また、接客も落ち着いた感じで行いたいのに、やたら大声で元気よく接客を行っていると、お客様の期待を裏切る、つまり、ブランド価値を低下させているといえます。
こういった事態を招かない様にするために、「内側」で会社の理念を共有したり、ただ単に「チェックリスト」で仕事をするのではなく、各人に店のコンセプトの共有を図ったりすることが大切になります。
今の時代は、いかにお客様に「選んでいただく」「選ばれる」かが大切で、そのためにも、ブランディングの取り組みがとても大切だと、僕は考えています。
特に、上記にあったように、店をマニュアル的に運営するだけでなく、また、ただ集客だけに力をいれるだけでなく、自社・自店がどういった思いで経営しているのか、どんな価値をお客様に提供するのか、どんな体験をお客様にしてもらうのか、
そして、
店のコンセプトに基づき、各仕事がどうコンセプトと関連しているのか等を店で働くスタッフに、何度も何度も伝え、浸透させていくことも「ブランディング」につながる、つまり、お客様に「選ばれるお店」になるということです。
皆さんの会社では、自社のこと、店のことをどれだけ社内で共有する、深める時間を作っていますか?この時間をどれだけ割けるかが、今後、店が生き残っていく、店が増えることにつながると考えてもいいのではないでしょうか?