人間関係の悪さが、離職率を高める!

スタッフの働きやすさに一番起因するものが、社内の人間関係です。人間関係の悪さが離職率を高めることはよくあることです。この人間関係をよくするためには、普段の「コミュニケーション」を活発化することが一番です。

そのために、社内での1on1ミーティング(社長面談、評価面談、上長面談、第3者面談など)の実施、全体勉強会の実施、サンクスギフト(社内でありがとうとう文化の醸成)の実施、アワードの開催、など、仕事上でコミュニケーションを活発にするための仕組みを構築します。

 

コミュニケーションを取るのが苦手。これが最近のスタッフの特徴

社長:「この前、アルバイトさんからクレームがありまして」

 

僕:「えっ?何があったんですか?」

 

社長:「いやあ、実は、この前ある店に行ったときにアルバイトから色々言われたんですね。で、あくまでアルバイトが言うにはなんですけど・・・。

 

毎日仕事を上がるときの時間を社員が伝えてくれないらしいんですよね。だから、いつまで働けばいいんだろうって毎回感じるし、それに上がる時間が忙しいと、何も言われないでそのまま働くことになるらしいんです。

 

仮に上がったとしても、まかないを食べているときに店が忙しくなると、社員が『忙しいんだから、まかない食べてないで手伝えよ』っという雰囲気をあからさまにだすらしくて、だから、バイトは、上がる時間になるといつもソワソワというか嫌な気になるらしいんです」

 

僕:「シフトで最初から何時までって決まってないんですか?」

 

社長:「いや、決まっているんです。でも、その時間になっても社員が『上がっていいよ』とか、『今、忙しいからもう少し手伝ってくれる?』とか『忙しいけど、今日は上がっていいよ』ということを言わないらしいんです」

 

僕:「えー!そうなんですか?そりゃ、バイトさんも嫌ですよね」

 

社長:「そうなんですよ。だからなのか、数か月前に結構アルバイトを採用したんですけど、この店はいつも『人が足りない!』って騒いでいるんですよね」

 

と、先日、ある社長さんと話をしていました。

僕も現場経験があり、社員の立場でもアルバイトの立場でも現場で仕事をしていましたが、こんなことはありえない話なので、すごくびっくりというか驚きました。

 

なので、他の会社ではどうなんだろうって、さりげなく他社さんでも聞いてみたのですが、「バイトに上がる時間を言わない(伝えない)、というのは、結構”あるある”ですよ!」と言われ、さらに驚いてしまいました。

僕が現場で社員として働いていた時は、アルバイトと結構距離が近くて、普段から色々話したり、店が終わってからも結構飲みに行っていたりしたので、早上がりしてもらったり、また、反対に、忙しかったら延長して働いてもらったりすることは日常茶飯事でした。

でも、大切にしていたのは、大袈裟にいうと”コミュニケーション”で(その当時はあまり意識していなかったと思います)、「悪いけど、今日は早く上がってくれる?」とか「悪いけど、今日、もうちょっと手伝ってくれる?」とお願いしたり、また、簡単な事でも色々助かった時には「ありがとう!」って何気なく伝えたりしていたと思います。

で、上記の社長さんに、「店長は、『ありがとう』とか『悪いなあ』とか、『助かるわ』みたいな、言葉をアルバイトに言わないんですか?」と聞くと、「彼はあまりそういうことは言わないんですよ!」と話されていました。

 

アプリを使い社内コミュニケーションを強化している会社が増えた!

最近は、社内のコミュニケーションを円滑にするために、SNSなどを活用したツールを使用する企業がすごく増えてきた印象があります。また、昔から「サンクスカード」というような名称で、職場で人に対して「感謝」の気持ちを伝えようというような仕組みを採用している企業もたくさんあります。

正直、僕はこれらのツールや仕組みを導入する意味があまり分かりませんでした。なぜなら、普段からちょっとしたことでも「ありがとう」っていう癖が僕にはあるので、「わざわざそんなツールや仕組みを使わなくったって、普通に、『ありがとう』とか『サンキュー』って言えばいいじゃん!そんなことまでやらないと人に感謝の気持ちを伝えられないのかな?」と、いう気持ちが強かったからです。

でも、この話を聞いて、考えが変わりました。

今の子といういい方はあまり好きではありませんが、今の子は、人に「ありがとう」っていうのが苦手な人が多いんだなあと。

それに、この件で色々な社長さんと話をしましたが、「他人に対して興味のない子が多いかも」っていうことにも気づかされました。

 

そのためなのか、簡単なコミュニケーションをとれないスタッフが多い、と。

例えば、「なんか元気ないなあ。どうした?」とか「おっ、今日の服、格好いいなあ」とか「彼女とどうよ?」なんて、冗談を言いながら、こんな会話を普段からしていない人も多いようです。

 

アルバイトからしたら、こういった会話もなく、また、働いていてもねぎらいや感謝の気持ちも伝えてくれず、ただ、「指示ばかりだす!」ような社員、店長さんの元で働いてても「楽しく」ないはず。だから、シフトに入る日数も限定的になるし、店に貢献しようなんて気にもならない!だから、こういう店長の店では、業績も良くないし、バイトさんの離職率も高いし、シフトもいつも困っているのでしょう。

 

 

「ありがとう」が言えない、コミュニケーションが取れない人ばかりではないと思いますが、店舗の雰囲気が悪い店は、店長のこのちょっとした「ありがとう」と「コミュニケーションが足りない店」であるような気がします。

 

だからこそ、「ありがとう」を自然に言う風土、雰囲気を店に作り出すことができたなら、きっと人材不足も解消できるし、離職率ももっと減らせることができるでしょう。

そのためにも、最初は、「強制的に」ツールや仕組みを使って「ありがとう」を増やす取り組みを行うことも重要なことです。

 

コミュニケーションは、「飲み会」だけでは社長の体は続かない!

店舗数が少ない時、スタッフが少ない時は、営業時間終了後、スタッフを引き連れて飲みに行き、そこで色々な話をすることで、スタッフのモチベーションをあげることができていたのではないかと思います。

ですが、店が増え、スタッフが増えてくると、昔のように毎日飲みに行ってコミュニケーションを取るということは不可能です。こんなことをやっていては、体がもちません!

そこで、オフィシャルの場でコミュニケーションを取る機会を増やすことが重要になります。

私のご支援先では、社員とのコミュニケーションの場を作るために、次のような機会を設けてもらうようにしています。

 

①全体勉強会→勉強の前に、社長自ら感じていることを話す

②社長主催の勉強会の開催→毎月出きなくても結構!3ヶ月に一度ぐらい、社長として何を考えているのか、社長としてどうすべきかを話す

③評価面談→評価は、評価事態をやることも大切ですが、社長と話す時間としても大切な時間だと皆さんに伝えています。評価は年1~2回ぐらいしかできないと思いますが、面談の機会は4半期に1回ぐらいはとりたいものです。

④ランチ会→お酒を飲みながらではなく、気軽な雰囲気で話すために、社員一人一人とランチで話す機会を持ってもらいます。

⑤目標設定面談→これは社長でなくてもOK。上長が毎月部下と話す時間を作り、次月の目標について話したり、現状を承認したりする場として活用します。いわゆる1on1ミーティングです。

 

このような仕組みを社内に設け、社員と話す機会を作るようにしましょう!

また、社員を見てあげることもすごく大切なこと。そのためにも、店舗には定期的に訪問し、社員が働いている姿をできる限り見るようにしましょう!店舗が増えてくるとなかなか難しくなりますが、できる範囲で訪店する機会を持った方が社員のモチベーションは上がります。

よく、「あまり店に顔をだすと社員に嫌われる」と思っている社長さんがいらっしゃいますが、それは、訪店した際に「指摘」ばかりするからです。もちろん、ダメなところ、改善点は指摘すべきなのですが、社員が頑張っている、成長しているところを見つけるために訪問するといいでしょう。

 

「承認」が少ないという社員が増える

最近ご支援している会社でアンケート調査して分かったことは、「承認」が少ないということです。

先述したとおり、どうしても店に行くと指摘ばかりしたり、ミーティングにおいても指摘ばかりが目立ち、「褒められている」「認められている」という意識が社員の方には少ないようです。ただ、最近は「指摘される」ことに対して非常に敏感になりすぎていることが要因でもありますが、実際には「褒める」「承認する」ことが社長さん、幹部さんには少ないかなと思います。

なので、社長さん、幹部さんは意識的に社員を「褒める」ようにしましょう。また、全社的に「褒める」「承認される」機会を増やすことも重要でしょう。そのためにも、年に1回のアワード開催や毎月のミーティングで、何か賞を与え表彰することも重要です。

こうやって「褒める」ためにも、すべてを把握することは不可能ですが、社長、トップが定期的に店を訪問し、社員の働く姿を見てあげることは非常に重要なことなのです。

当社では、強制的に社長に店に訪問してもらえるよう、私がコンサルティングの日には必ず店を訪問し、店のチェックをしながら、社員の働く姿を見てもらうようにしています。

  

   

飲食店で年商10億、多店舗化を成功させる“12のメソッド”

1,会社の軸を明確にする

2,理念、ミッション、クレドをアルバイトにまで浸透させる

3,規律、決めごと、ルール、時間など、社会人として守るべきルールを組織内で徹底する

4,店長、副店長など、各役職の責任と役割を明確にする(評価基準を明確にする)

5,成功パターンを確立する

6,仕事のすすめ方を属人的にせず仕組み化する

7,社員エンゲージメント高める

8,社内のコミュニケーションを活発化させる仕組みを作る

9,学ぶ風土を社内に構築する

10,守破離の原則で人財育成を行う

11,接客は個性を引き出すマニュアル(サービスストーリー)を作る

12,教育カリキュラムを充実させる

終わりに

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