●店長が何も行動しないのは「やる気」がないのではなく知識がないのです!

経験の少ないアルバイトにホールでの仕事を指導する際、

「お客様を見よう。お客様が何を求めていると思う?」

と問いかけたとします。

さて、このアルバイトはどんな反応を示すと思いますか?

きっと、「分かりません」という人がいたら、そのアルバイトは優秀だろうと思います。普通のアルバイトは、何も反応せず、「・・・」と無言で立っていることの方が多いと思います。

なぜ、このアルバイトは何の反応もできないのか?

それは、「お客様を見ろと言われても、何を見ていいか分からない」からです。
また、「お客様の表情をみろ」と言われても、見てもきっと想像もできないのです。

さて、それはなぜか?

飲食経験が少ないアルバイトは、飲食店で「サービス」を受ける機会が少ないため、「接客サービス」自体、何をしていいか分からないのです。

また、最近は、タブレットを導入する店が増え、スタッフがお客様をもてなす機会も本当に減っているため、またまた、「接客サービス」自体を受ける機会があまりにもないのです。

そのため、「お客様は何を求めていると思う?」「自分だったら、何をされたらうれしいと思う?」と問われても、経験自体がないため、「????」と何も反応できないのです。

だからこそ、接客を教える際には、「お客様をみろ」ではなく。「テーブルのどこを見るべきか」、つまり、視点を教えてあげる必要があるのです。そして、その視点を少しずつ増やしていくことで、アルバイト「何を見ていいのか」「お客様が何を求めているのか」が徐々に理解することができるようになるのです。

さて、皆さんのお店の店長さんにも、上記のような指導を日頃行っていませんか?

「リーダーシップをもっと発揮しないと!」
「数値をしっかりとコントロールしないと!」
「アルバイトの意識を高めないと!」
「アルバイトの教育をもっと強化しないと!」

と、店長に指導をしていませんか?
優秀な店長なら、上記の指示?(指導)で、ある程度自分で考えて行動することができるでしょう。

しかし、今、店長が行動できないでいるとしたら、きっと、「何を具体的にすればいいのか分からない」から、冒頭の経験の少ないアルバイトにホールで指導したような「無反応」「無行動」の状態になってしまうのです。

「リーダーシップをもっと発揮しろ」と言われても、店で具体的にどんなことをすることが「リーダーシップを発揮している」ことになるか分からないから、行動できないのです。

「数値をしっかりとコントロールしないと」と言われても、原価率をどうやってコントロールすればいいか分からないから、何も行動できず、数字が変わらないのです。

「アルバイトの教育をもっと強化しないと」と言われても、どんな教育を具体的にアルバイトに行うべきか分からないので、アルバイトに何を指導できないのです。

きっと多くの店長は、「やる気がない」から行動しない、指導に従わないのではなく、「具体的にどうしていいか分からない」から、行動できないのです。

また、そういった勉強もしていないでしょうし、会社自体も学ぶ機会を与えず、ただ、「うちの店長は何もできない」と店長自身のセイにしていることも多いため、店長は成長しませんし、成果も上げることもできないのです。