経営者は、どうしても「ダメ社員」に目がいってしまう

私が「教育」に対して常々思うことは、「社員の下部層に視点を向けがち」ということです。
 
ご存じのように、組織は、どんな組織であれ、基本的には262の階層(2の優秀層、6の普通層、2のダメ社員層)に分かれます(262の法則)
 
すべての経営者さんではありませんが、僕が今までお付き合いさせていただいた社長さんの中には、どうしても262の下部の2の層、つまり、あまりいい言い方ではありませんが、「ダメ社員」にどうしても目が行ってしまうということです。
 
 
「あいつは、だからダメなんだ」
「まずは、あいつに●●をやらせないとダメだ」
 
と、どうしても「仕事ができない社員」の“ダメな部分”に目が行きがちになります。別に、一人のスタッフに目を向けるのは悪いことではありませんが、問題は、「自社の社員」の本当の問題を捉えていない、ということです。

 

「ダメ社員」に注目しすぎて、本来の問題を見落としがち

どうしても「仕事ができない社員」はトップからは目立つ(気になってしまう)存在になるのですが、これはあくまで一部の社員の話。262の部分で言えば、下部の2割に過ぎない、いや、もしかすると目につくのは1割も行かない場合がほとんどです。
 
そこにフォーカスを当てすぎることで、本来の「自社の社員の課題」に目がいかず、”2割の社員のためだけの教育”をしがちなのです。
 
 
先ほども述べたように、たった2割の課題のために教育をされても、あとの8割の社員は、
 
「そんなの今更やってどうすんの?」
「そんな簡単な研修なら、現場で働いていた方がいい」

 
と、せっかく教育の時間を設けても社員の参加意識が弱くなる可能性があるのです。
 
だからこそ、どこの層を対象とした教育をするのかというのは、社員教育を成功させる上でも非常に重要なことなのです。

 

「上位3割の人」を対象にした教育が重要

私は、基本的には、ご支援先のスタッフの能力を鑑みながら、「上位3割の人」を対象にした教育カリキュラムを作るようにします。すると、残りの7割の人には、難しい内容になるのですが、
 
「この内容が理解できないと成長できないんだよ」
 
ということを話しながら、あえて高いレベルの内容を提示することで、彼ら彼女らに対して、目標を与えるようなイメージで教育を行うようにしています。
 
 
会社としては、先述したとおり、どうしても「仕事ができない人」に目が行きがちです。
 
しかし、会社が成長するためには、本当は、「できる社員」をさらに伸ばすことが大切であり、「できる社員は、できるから何もしなくてもいい」と考えていると、会社の成長を止めたり、または、その「できる社員」の離職を招くことにもつながるのです。
 
なぜなら、「できる社員」ほど、志が高く、視点が高いため、今の会社で学べないとなると、すぐにもっと学べる会社に行こうとするか、あるいは、独立するという道を選ぶ可能性が高いからです。

 

意外に多い、「できない社員」の不満を聞きすぎる社長

また、これに関連して言うと、「できない社員」の不満を聞きすぎる社長も多いなと感じています。
 
もちろん、その社員を見捨てろとは言いませんが、「できない社員」というのは、自分に都合のいい人が多く、また、規則やルールを守らない、などという特徴があります。そんな人の不満をどうして聞くんだろう、と。そんな人たちのいうことを真に受けたりするから、会社が成長しないのです!
 
きっと残りの8割、9割の人は何も感じていないのに、1割の「できない社員」の不平不満を聞くことで、会社の成長を止めてしまう可能性が高いということ経営者は認識すべきです(こんな会社をたくさん見てきました)。
 
 
もし、会社を本気で成長させたいと考えるなら、「できる社員」にもっと教育を受けさせましょう!
 
彼ら彼女らをより成長させることが、会社の成長につながります。そして、「できる社員」がさらに成長することで、その「できる社員」が他の社員の見本になったり、教育したりすることで、会社は成長にしていくのです。

 

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