
伸びない経営者の特徴から、成功の道を探る!
30年近くコンサルティングをしてきた中で、本当に多くの経営者さんにお会いしてきました。その中で強く感じるのは──会社を成長させる経営者と、なかなか伸びない経営者には「共通の違い」があるということです。
今回は、イマイチ成長できない・多店舗展開が思うように進まない経営者さんに共通する特徴を整理しました。裏を返せば、これらを乗り越えることができれば、成長企業に近づけるということでもあります。
失敗から学ぶことで、成功への道筋が見えてきます。ぜひ「反面教師」としてチェックしてみてください。
①自分の軸がない
なぜ経営が伸び悩むのか?
飲食店を多店舗化しようとしても、なかなか成果が出ない経営者に共通するのが「自分の軸(考え)」がはっきりしていないことです。
「どんな会社にしたいのか」「どんな店をつくりたいのか」という根本が明確でないため、他社のやり方をそのままマネしたり、流行の手段ばかりに頼ってしまいます。
例えば、
・流行の販促をとりあえず試す
・他社の制度やメニューをそのまま真似する
・「大入りを出せばやる気が上がるらしい」と取り組む
こうした取り組みは一時的に成果が出ることはあっても、再現性がなく長続きしません。結局「多店舗化が進まない会社」に共通する落とし穴なのです。
成功する飲食経営者の考え方
一方で、成長している飲食経営者は「自分の軸」をしっかり持っています。それは単なる考えではなく、日々の判断や組織の方向性を決める“基準”として機能しています。
彼らはまず、自社の存在意義やお店づくりのコンセプトを明確に語ることができます。「なぜこの店をやっているのか」「地域やお客様にどんな価値を届けたいのか」という問いに迷いなく答えられるのです。
さらに、彼らの関心は「手段」よりも「本質」にあります。
・「スタッフが自主性を持つにはどうすべきか?」
・「ターゲットはどこまで絞り込むべきか?」
・「理念をどう現場に浸透させるか?」
こうした問いは、他社の真似ではなく、自分たちの経営を磨く姿勢から生まれています。
加えて、原理原則を理解しているからこそ、施策を取り入れる際にも「自社の理念に合うか」「長期的に再現性があるか」を基準に判断できます。そのため、一度の成功に終わらず、安定した成果を積み重ねていけるのです。
そして何より、経営者自身に軸があることで、社員やスタッフも安心してついてきます。考えと行動に一貫性があるからこそ、「この社長と一緒に頑張ろう」と思えるのです。
成功への示唆
「自分の軸」がなければ、飲食店の多店舗化は必ずどこかで行き詰まります。
逆に、原理原則を学び、自分の考えを磨き上げることができれば、持続的に成長できる経営基盤を築けます。
こちらのページで詳しく解説しています!
👉 「なぜ“真似るだけ”では成長しないのか?成長飲食企業の社長が実践する軸の作り方」
②自分ルールが多い
なぜ経営が伸び悩むのか?
飲食業界では「3・5・10の壁」と呼ばれる成長の段階があります。店やスタッフが増えるにつれて、これまでのやり方や経営者の感覚だけでは通用しなくなり、組織としての新しいルールや基準が必要になります。
ところが、伸びない会社の経営者に多いのが「自分ルール」で動いてしまうこと。せっかくルールや基準をつくっても、
・社長自身が率先して守らない
・「自分は特別」として例外扱いする
・気に入った社員にはルールを適用しない
といった行動を取ってしまいます。社員は社長の姿勢に敏感で、「社長が守らないのに、なぜ自分たちだけ?」という不満が広がり、離職やチームの崩壊につながります。結果として、多店舗化は停滞し、経営の成長も止まってしまうのです。
成功する飲食経営者の考え方
一方で、成長している飲食経営者は「自分ルール」ではなく「会社のルール」を優先します。
特に成長段階で必要なのは、物事の「白黒をはっきりさせること」です。
・朝礼やミーティングのルールを徹底する
・仕事に期限や手順を設ける
・教育や評価の基準を明文化する
こうしたルールは単なるマニュアルではなく、価値観の統一や会社の姿勢を示すものです。そして何より大切なのは、経営者自身が誰よりも率先してルールを守ること。
創業期は特に、社員は「社長しか見ていない」ものです。社長がルールを守る姿勢を見せれば、社員も自然と従い、組織としての一体感が高まります。その積み重ねが離職を防ぎ、多店舗展開を支える土台になります。
成功への示唆
自分ルールで会社を動かす経営者は、必ずどこかで壁にぶつかります。
逆に、ルールを整備し、自らが率先して守る姿勢を示せば、社員は安心してついてきます。それこそが組織の成長を促し、飲食店の多店舗化をスムーズに進める最大の要因になるのです。
こちらのページで詳しく解説しています!
👉「“自分ルール”に気づいてますか?飲食企業の社長がルールを明文化すべき理由」
③事務作業が苦手
なぜ経営が伸び悩むのか?
成長しない会社の経営者に意外と多いのが、「事務作業が苦手」という特徴です。
現場に立つのは好きでも、机に向かって数字をまとめたり、計画を立てたりすることが苦手。結果として、社長として果たすべき役割を十分に果たせていないケースが目立ちます。
こうした経営者ほど「社長として何をすべきか分からない」ため、現場に入りたがります。創業期はそれでも回りますが、店舗が増えていくにつれて「社長が現場作業に時間を割きすぎる=経営が停滞する」という構図に陥ってしまうのです。
成功する飲食経営者の考え方
一方で、成長する飲食経営者は「社長業」を自覚し、事務的な業務や管理の仕組みをきちんと整えています。
例えば、
・店舗管理の仕組みをつくり、店長との面談を定例化する
・メニュー開発や会議の進め方に基準を設ける
・定期的に社員評価を行い、経営計画を策定・発表する
こうした取り組みは最初は負担に感じられますが、習慣化すれば会社を成長軌道に乗せるための「社長の仕事」になります。
社長の役割は、現場の作業をすることではなく、未来を見据えて会社をどこへ導くかを示すこと。1年先、3年先、5年先を見据え、自社の強みをどう伸ばすか、弱点をどう補うかを考え、社員に方向性を示していくことが求められるのです。
社員や店長が役割を果たすのと同じように、経営者も「社長の役割」を果たすことが不可欠。これを避けていては、いくら店舗数が増えても成長は頭打ちになります。
成功への示唆
「事務作業が苦手だから」と避けていては、多店舗化は前に進みません。
逆に、社長としての役割を認識し、経営計画や仕組みづくりに取り組めば、社員の力を引き出しながら組織を大きく成長させることができます。
こちらのページで詳しく解説しています!
👉「社長が事務を避けると組織は止まる|飲食企業の成長を導く役割とは?」
④継続力がない
なぜ経営が伸び悩むのか?
どれだけ立派な施策や仕組みをつくっても、「続かない」会社は成長できません。成長しない経営者に共通するのは「習慣化・継続ができない」こと。
「これをやろう!」と決めても数か月でやめてしまう。中には一度やっただけで放置してしまうケースもあります。経営者自身が習慣化を苦手にしているため、社員にも継続を求められず、結果として取り組みが定着しないのです。
その結果、
・朝礼や理念の浸透が中途半端になる
・接客レベル向上や改善活動が一過性で終わる
・ノウハウが積み上がらず、常に目先の売上に追われる
こうした状態では、会社は“忙しいだけ”で本当の成長に結びつきません。
成功する飲食経営者の考え方
一方で、成長する飲食経営者は「続ける力」を持っています。
・毎日の朝礼や唱和を欠かさず行う
・定期的に改善活動やロールプレイングを続ける
・継続的な商品開発やコンテストを文化として根付かせる
これらはすぐに成果が出るものではありません。しかし、積み重ねによってスタッフの質が高まり、店舗の雰囲気やサービスレベルが向上し、やがて売上や利益につながります。
ある社長は「販促をしなくても売上は上がる。毎月お客様の不満を改善する行動だけで成果は自然とついてきた」と語っていました。習慣化の力を自ら体現しているからこそ、スタッフも不満なく継続でき、組織全体に良いサイクルが生まれるのです。
経営とは短期的な売上を追うだけでなく、長期的にお客様に愛され続ける仕組みを作ること。その基盤をつくるのは「継続力」であり、これを軽視する経営者はいつまでも売上に振り回されてしまいます。
成功への示唆
多店舗化で成功する会社は、必ず“継続できる会社”です。
続けることで質が高まり、文化が定着し、社員やお客様からの信頼が積み上がっていきます。
逆に継続できない経営者は、目先の売上に追われ続け、成長のチャンスを逃してしまいます。
だからこそ、「継続・習慣化できる仕組み」を整えることが、繁盛店と成長企業への第一歩なのです。
こちらのページで詳しく解説しています!
👉「販促なしで売上アップ!飲食業の社長が身につけるべき「習慣化」の力」
⑤ビジョンに本気でコミットしていない!
なぜ経営が伸び悩むのか
経営者の最も重要な役割は、会社が「どこに向かうのか」を示すことです。
しかし、伸びない会社の経営者に多いのが、ビジョンを掲げても「本気で取り組んでいない」こと。
「売上10億を目指す」と言いながら、期限に甘く、仕組みも作らず、社員教育もおろそかにしてしまう…。
これでは社員は「口だけだ」と感じ、モチベーションを失い、組織はバラバラになります。
ビジョンを示さない、あるいは掲げても本気でコミットしない経営者は、必ずどこかで成長が止まってしまうのです。
成功する飲食経営者の考え方
成功している経営者は、自らの掲げたビジョンに本気でコミットしています。
・高いビジョンを掲げ、それを達成するために必要な行動を徹底する
・社内ルールや仕組みを整え、社員にも一貫した姿勢を見せる
・ゴールに共感できる人材を集め、価値観の合わない人には潔く「バスを降りてもらう」
ビジョンは、会社の方向性や仕事の進め方を決める“羅針盤”です。例えば「甲子園優勝を目指すチーム」と「草野球を楽しむチーム」では、日々の練習や求められる姿勢がまるで違うように、目指すビジョン次第で社員の意識や会社の文化そのものが変わります。
そして、トップが本気で向き合っている姿勢は必ず社員に伝わります。だからこそ、組織は一体となり、難しい目標にも挑戦できるようになるのです。
成功への示唆
多店舗化を成功させたいなら、経営者自身が「本気のビジョン」を掲げ、それに日々コミットすることが不可欠です。
掲げるだけではなく、行動・仕組み・姿勢で示してこそ、社員が共感し、組織が力を発揮します。
こちらのページで詳しく解説しています!
👉「飲食店経営者が知るべき、ビジョンに本気でコミットする重要性」
まとめ
飲食店の多店舗化で失敗する経営者には、共通した特徴があります。
・自分の軸を持たないこと
・自分ルールで会社を動かしてしまうこと
・社長としての役割を果たさず、事務を避けて現場に逃げること
・継続や習慣化を軽視すること
・ビジョンを掲げても本気でコミットしないこと
どれも一見すると些細なように見えますが、積み重なることで会社の成長を確実に止めてしまいます。
逆に言えば──これらを克服し、
・「自分の軸」を明確に持ち、
・「会社のルール」を率先して守り、
・「社長業」を果たし、
・「継続力」を武器にし、
・「ビジョン」に本気でコミットする
ことができれば、会社は必ず成長し、多店舗展開の道を進めます。
飲食経営の世界は決して簡単ではありませんが、原理原則を押さえ、日々の行動を積み重ねていけば、結果は必ずついてきます。
あなた自身は、この5つのどこに当てはまるでしょうか?
今日から少しずつでも改善に取り組むことが、多店舗化成功への第一歩です。
★多店舗化を成功さたい方におすすめ!★
こちら↓のページで「多店舗化を成功させる秘訣」を公開しています。
●「飲食店の多店舗化・多店舗展開を成功に導く7つの必須条件|理念・人・仕組みで実現する成長戦略」
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