創業期の最大の弱点は、スタッフの経験・知識が不足していること!

アーリーステージでの一番の弱点は優秀なスタッフがいないということ。ですが、最大の弱点は、スタッフの知識や経験が不足していることです。経験と特に、知識が不足しているからこそ、日々の行動量も少ないと言えます。

例えば、数値管理やアルバイト指導、マネージメントなどなど。様々な仕事の知識が足りないことが、行動量の少なさにつながっているのです。簡単に言えば、経験と知識が不足しているから、「何をしていいかわからない」のです。

ただ、経験はすぐに身に着けることはできません。

ただし、知識は努力次第でなんとかなります。これを個人任せにするのではなく、会社が積極的に学ぶ時間(社内勉強会開催、読書補助、外食補助など)をとったり、学ぶ機会を提供(外部セミナー参加など)し、学ぶという習慣づけを風土化していきます。

 

当社では、勉強会の開催はコンサルティングのメイン業務です!

数年前から、僕はご支援先のコンサルティングにおいて、基本「勉強会」を実施していただくようにしています。この勉強会は、全スタッフに参加していただき、月1回(4時間)実施し、色々なことを学んでいただいております。

勉強会をコンサルティングの主軸にしている理由は、「個のレベルアップをはかることが、会社全体のレベルアップにつながる」と僕自身が考えているからです。

僕がご支援させていただいている飲食企業様は、規模的には3店舗ぐらいから5店舗ぐらいまでですが、どちらかと言えば、「店を増やす」ことを目的とせず、「強い店をつくる」「人がイキイキと働いている店をつくる」「人を活かす店を増やす」という考え方で経営している会社がほとんど。

 

僕自身も、「とにかく効率化を図りながら店を増やす」という経営よりも、店に行けば、人の良さ、つながり、が感じられるような店が好きだし、それにそういった店を作る事こそが「チェーン店」との差別化につながるし、それが中小飲食企業が活き残るための最善策だと信じているからです。

では、組織内で学ぶといっても何を学べばいいのか?

僕自身が今、必要だと感じている事、そして、実際にご支援先で僕主催の勉強会で行っているテーマは、次の2つ。

1)理念を共有する

2)様々な価値観を同じにする

1)の理念を共有するというのは、”何のために仕事をしているのか””何が判断基準となるのか”ということを皆で共有することが一番の狙い。

経営理念とは、会社がなんのために存在するのかを明文化したものであるため、これを深めていけば、自分たちは何のために仕事をするのかが必然的に明確になってきます。つまり、目的意識が明確になり、ただなんとなく仕事をするのと、目的を持って仕事をするのでは、各人の人生も変わってくるし、仕事の成果も大きく変わってくるということです。

 

 

 

3人のレンガ職人の話

この点は次の「3人のレンガ職人」の話を読むと理解が深まるのではないかと思います。

炎天下にレンガを積んでいる3人のレンガ積み職人のそばを、旅人が通りかかりました。旅人は3人のレンガ職人に「あなたは何をしているのですか?」と声をかけました。その問いに対する答えは三者三様でした。

1人目のレンガ職人はこう答えました。

「私は、親方の命令に従ってレンガを積んでいるんだ」

2人目のレンガ職人はこう答えました。

「私は、レンガを積んで、高い塀を造っているんだ」

3人目のレンガ職人はこう答えました。

「私は、レンガを積んで立派な境界を作っているんだ。この教会が完成すると、施主や多くの人々はとても喜ぶだろう」

この3人の違いは仕事の「目的」です。

3人のレンガを積む目的を整理していましょう。

1人目のレンガ職人は、目的を持たずに、指示されたことをこなしているだけです。

2人目のレンガ職人は、高い塀を作ることを目的としています。

3人目のレンガ職人は、教会を造って、多くの人の役に立つことを目的としています。

これは、「マネージメント」等で有名やピーター・ドラッガーが著書の中で述べていること。

ドラッガーは、この3者三様の答え方から、仕事の目的やとらえ方によって、仕事の取り組み姿勢が変わると述べているのです。

人は目的意識の持ち方次第で、仕事のやり方、姿勢が変わります。

今は上述したように「いかに、お客様に選んでいただくか」が大切な時代。だからこそ、お客様目線での仕事がとても重要になります。

にもかかわらず、昔と同じように、売上、利益だけを目的とした仕事のやり方をすると、お客様よりも自分たちのことを優先し、とにかく売上さえ上がればいいと思うようになってきます。売上や利益やあくまで「結果」、つまり、お客様満足度の「結果」であって、お客様の満足度が向上すれば自然と売上や利益はついてくるものです。

だからこそ、社内で理念を深め、自分たちの働く目的を明確にすることが重要で、さらに言えば、自分たちが理解しているだけでなく、自分たち自身が体現できるようにする為、また、アルバイトにも理念を伝えられるようにするために理念の一言一句を深めたり、理念をどう判断基準として活用するのかを勉強会で行うのです。

 

仕事に関する「価値観」「考え方」を共有する

2)の「様々な価値観を同じにする」、についてです。

たとえ、理念に対する考えが同じであっても、現場で行う仕事が各々違う方向で仕事をすると、会社・店としてはなかなか成立しません。 

例えば、人を教える事に関して、A君はとにかく人を教えるには「指示命令」が一番で、マニュアル的にただ仕事をこなさせればいいと考えている。 

一方、B君は、人の個性を大切にし、各人が自分で考えて行動出来るよう、相手に気づかせながら仕事をさせるようにする。 

こんな2人が社内、店内にいると、一貫性ある教育はできませんし、評価も難しくなりますよね。

どちらが正解ではなく、皆が同じ価値観、方向に向かって仕事をすることが大切で、だからこそ、様々な仕事の「あるべき姿」「方針」を作り、それを社内に浸透させることが大切なのです。

先ほどの例でいえば、教育の方針は「自分で考えて行動出来る人財を育成する」というような具合。他には、接客や商品、クレーム、そして、店つくりの方針など、会社としてのあるべき姿を明確にし、それを皆で共有するための勉強が、「価値観を同じにする」勉強ということです。

さて、この2つの勉強をする目的は、「各々が自ら考えて行動出来る人財になる(する)ため」。また、こういう人財を一人でも多く作ることで、各人が楽しく、やりがいを持って仕事をしてもらうため、です。

もし、会社として「人を活かす」ことを目的とせず、ただ、店が増えればいい、売上・利益が上がればいい、と考えている人には、この勉強会自体が必要ないし、理念も必要ありません。なぜなら、目的が「金」のみであろうからです。(お金ももちろん大切ですが・・・)

 

 

 

飲食店で年商10億、多店舗化を成功させる“12のメソッド”

1,会社の軸を明確にする

2,理念、ミッション、クレドをアルバイトにまで浸透させる

3,規律、決めごと、ルール、時間など、社会人として守るべきルールを組織内で徹底する

4,店長、副店長など、各役職の責任と役割を明確にする(評価基準を明確にする)

5,成功パターンを確立する

6,仕事のすすめ方を属人的にせず仕組み化する

7,社員エンゲージメント高める

8,社内のコミュニケーションを活発化させる仕組みを作る

9,学ぶ風土を社内に構築する

10,守破離の原則で人財育成を行う

11,接客は個性を引き出すマニュアル(サービスストーリー)を作る

12,教育カリキュラムを充実させる

終わりに

コンサルティングに関するお問い合わせはこちら>>>