(10)店長・スタッフの過去ではなく、未来にフォーカスしてみないか?

多くの飲食店、飲食企業にて、どんな評価制度を構築しようかと悩まれていることと思います。この評価制度には、「正解」というのはないので、いかに自社にふさわしいものにできるかがポイントになってくると思います。
 
ただ、最近思うのは、もちろん「評価」「フィードバック」してあげることはすごく大切だと思うのですが、「評価」を高めるための支援、つまり、相手を成長させるための支援を本当に行っているのだろうかと。
 
 
例えば、店長さん一人を評価するとします。評価表を用いて、自社の基準に沿った形で評価し、そして、評価面談を行い、なぜ、そのような評価になったのかを伝える。
 
こんな流れで評価を行っているでしょう。
 
もう少し進んでいるところは、次に「どんな努力をすればいいのか」について、上司(マネージャー、部長など)と店長が話し合っているところもあるでしょう。
 
ですが、多くの会社では、「評価」はやっているが、「評価」を上げるためにどのような努力をすればいいのか、どんな目標を立て、どのような行動をするのかなどを具体的に決定しているところは少ないのではないでしょうか?
 
 
これがアルバイトレベルになるとなおさらで、アルバイトへの評価は行っていると思いますが、アルバイトの評価が上がる(つまり、成長するということ)ために、どんな努力をするのか、どんな目標を立て、どのような行動をするのかまで、店長とアルバイトが話し合っているお店は、本当に少ないのではないでしょうか?
 
特に、アルバイトには、ある程度のレベルに達するまでは、店(店長)側が目標を与え、その目標を共に共有して努力、行動をさせていかないと、アルバイトの成長を期待することはできないと考えるべきです。
 
 
なぜなら、多くのアルバイトには、「自分で次の目標を決めて、目標達成のために行動する」というようなことは、まだまだ難しいからです。
 
これは、お店の仕事内容を具体的に知らないことも大きく影響しています。次の目標を設定するのにも、次の仕事は何なのか?その仕事をクリアするにはどんなことがポイントやコツになりそうなのかの想像がつかないと、目標を決めて具体的に動き出すことは難しいからです。
 
だからこそ、店、店長が、目標を具体的に決めてあげて、その目標を達成するためにどんなトレーニングや行動をすればいいのかを、アルバイトとともに考え決定することが大切なのです。
 
そのためには、アルバイトが目標を立てやすい評価制度ともう一つは、アルバイトの育成計画(3ヶ月、もしくは、6ヶ月)を考えることも必要となるでしょう。
 
 
評価制度に関しては、以前にもお伝えしましたが、最近は、ポジションごとに評価を作ることを皆さんに推奨しています。多くの評価制度は、仮にホールであれば「笑顔で接客できる」「商品説明ができる」などと、ホール全般のスキルを評価します。
 
でも、仮に、ホールでもポジションごとに役割は違うはずで、だからこそ、求められるスキルも変わってくるからです。また、お店の忙しさに応じても求められるスキルは変わってくるでしょう(売上が10万の時と20万の時では、求められるスキル、コツやポイントも変わりますよね?)。
 
なので、最近は各ポジションのあるべき姿、役割、そして、求められるスキルなどを明確にして、それをもとに評価制度も作るようにしています。
 
そして、この評価制度をもとに、アルバイトの育成計画も考えるようにします。3ケ月後、どんな仕事ができるようになってほしいか?
 
そのためには、どんなスキルが必要なのかを明確にし、役割を果たせるためのスキルを身に着けるために、これからの3カ月間、OJT、OFF-JTでどんな仕事をしてもらうか、どんなトレーニングをしてもらうのかを考えていくのです。
 
最初は店長自らが作っても構いませんが、ゆくゆくはアルバイトと面談しながら作り上げる(コーチングを活用しながら)ことがベストでしょう。
 
これをやっているお店は、実際にはすごく少ないと思います。しかし、もしこれが仕組みとして店内、社内に定着すれば、社員、アルバイトをもっと成長させることにつながると思いませんか?
 
 
 
多くのお店では、成長を「各自任せ」になっているのがほとんどでしょう。
でも、確実に成長させるためには、誰からの「支援」「サポート」が必要なのは間違いありません。スタッフの成長を、スタッフ任せにしないようにしようというのが私の考えです。
 
評価は、スタッフの「過去」に対して行うもの。それも大切だし、重要なのですが、スタッフの「未来」に対してもっとフォーカスしてみませんか?その方が、スタッフの定着率を高め、スタッフのモチベーションを向上させることに繋がります。
 
 
スタッフの「過去」だけでなくなく、もっと「未来」にフォーカスしてみませんか?