(8)「考える時間」をシフトに設けさせる!

飲食業でも、「完全週休二日制」や「時短労働」が当たり前になりつつある今、仕事のやり方を変える必要性も最近は非常に感じています。
 
例えば、これまでは(10年ぐらい前まで)、毎月、月末になると来月どんな行動をするのかということを書面にまとめ、会議で発表してもらうということがありました。もちろん、今もこれと同じようなことを実施されている会社さんはたくさんあると思います。
 
 
何が変わってきたかと言えば、この行動計画等を立てる(考える)「時間」(とき)です。
 
以前は、営業が終わってからやっていることがほとんどだったと思います。
しかし、先述したように「時短労働」が当たり前になりつつある今、”営業が終わってからやる”というのが難しくなってきました。
 
そのため、例えば、勉強会等で宿題をだしても「やる時間がないです」と言われることも非常に増えてきました。
(これが最近の私の大きな悩みのひとつです)
 
 
以前もお伝えしたように、今の時代、ただ「営業だけしている」ようでは、売上が向上させることは非常に難しい時代になりました。
 
できれば、毎月、
・店のオペレーションの改善を地味に実施したり、
・何かイベントを実施したり、
・アルバイト面談を実施したり、
・新商品を定期的に投入したり
といったことをやり続けることが大切です。
そして、できれば、これらのことを「現場の人」が自分たちで考えて行動に移してもらった方が望ましいのも事実です。
 
会社によっては、現場は店長さんを含めて、ただ「営業だけやってくれればいい」と考えておられる方もいるかもしれません。
それは、恐らく冒頭で述べた通り、営業以外のことを求めると、「完全週休二日」や「時短労働」を徹底することが難しくなるという理由からだと思います。
 
 
ただ、「営業だけ」しているというのは、ロボットと変わらず、「仕事の楽しみ」を得ることが難しいと思います。
 
飲食業で働く楽しみというのは、もちろん、「接客することが楽しい」とか「料理を作るのが楽しい」というのもあると思いますが、自分が考えた料理がたくさん売れたり、自分が考えた企画が当たって集客が増えたり、と「自分の考えたこと」が成果として現れ、それをすぐに肌で感じることができることであると思います。要は、「商売」を直に感じることができるのが、この仕事の良さであると思うのです。
 
 
だからこそ、できるだけ営業だけの仕事を求めるのではなく、少しでもいいので「考える」仕事も与えて欲しいのです。
ただし、ここ数日投稿している通り、「現場に丸投げ」というのではなく、本部(マネージャーや統括店長など)がサポートしながらです。
 
 
その第一歩として、営業時間内のどこかに、「考える時間」(事務作業の時間)をシフトに組みこんで欲しいのです。
 
実は、これは、数年前ある会社で以前行っていました。
こういった事務作業の時間は自分たちで考えてやってほしいところなのですが、「営業中の時間を上手く使ってやって」と丸投げしていると、それをいいことにずっと店の休憩室や事務室にこもって、忙しい時間なのに、ずっと事務作業をしている店長もいました。
 
それが問題になって、「考える仕事」をやらせないようにするか、という議論もあったのですが、やはり、ただ「営業」だけしているようでは仕事の楽しみを感じにくいし、将来的に考えても成長がないということで、対策を考えました。
 
そこで実施したのが、1週間のシフトの中で、それほど忙しくない時間や仕込みの時間の中で、「ここで考える仕事、事務仕事をやる」という時間を作ることにしたのです。しかも、自分たち(店長)で考えるのではなく、マネージャーがシフトを見て判断するようにしたのです。(週に1、2度、1~2時間程度)
 
この時間はPCに向き合って、とことん考えてもらうようにしたようです。
そうすると、時間も制限されているので、集中して作業に取り掛かれたようですし、また、「考える」範囲もできるだけ限定し、さらに言えば、「考えやすい」ようにテンプレートの作り方を工夫したりして取り組ませるようにすることで店長の「考える」を強制することができるようになりました。また、ミーティングも皆の出勤率が高い曜日に設定し、休みもしっかりとらせながら実施することも可能になりました。
 
 
 
昔のように、ただ「やれ」と言っていると、現場からは文句と不満しかでません。「できる方法」を本部側で考え、それを現場にやらせるようにしていかないと、ただ「楽」をするだけです。
 
今ある環境の中で「やれる」ようにする、「やれる方法を考える」ことが大事ですね!