

経営理念の作り方、考え方がまず重要!
私がご支援先と契約し、コンサルティングを開始する際にまずやることは、「理念」を確認、もしくは、作成することです。最近は、ほとんどの会社で理念を作成していることが多いですが、場合によっては、作り変えていただく場合もあります。
それは、「理念の作り方」「理念の考え方」が間違っていると私が感じたときに理念を作り変えていただいています。
というのは、理念、特に、「経営理念」というのは、”会社(店)が世の中に対してどう役に立つのか、会社(店)の存在意義を示すもの”と私自身が定義しているからです。また、この定義付けも非常に重要だと考えています。
これはどういうことかと言えば、例えば、単純な例でいえば、
「笑顔で頑張るぞ!」という理念はNGで、
「お客様を笑顔にするぞ!」であればOK、
ということです。
この違いは何かと言えば、視点の違いです。
「笑顔で頑張るぞ」は、自分たち視点であり、「お客様を笑顔にするぞ」は視点がお客様の方を向いているということです。
先ほど、「経営理念の定義が重要」と述べましたが、経営理念というのは、私は、単に掲げるだけでなく、理念を使うことが重要だと考えていて、そのため常日頃のコンサルティングにおいても「理念をどう使うか?」「そのために、理念をどう現場に浸透させるか?」をすごく大切にしています。
「理念を追求する」「理念に基づいた行動をする」ということは、結果、「世の中のためになることにつながる」ことが重要ではないかと思うのです。
会社や店が世の中の役に立たないのであれば、永く存続するのは難しいでしょうし、特に、私たち飲食店は「お客様あっての商売」だからこそ、お客様の役に立つことがとても重要だと思うのです。
つまり、理念を追求していくと、自然と「外向き」に視点がなり、自然と「お客様視点」になっていき、この姿勢を会社自体が持つこと、スタッフが持つことが重要だと考えているため、理念をとても大切にしているのです。
だからこそ、「内向き」(自分たち視点)な経営理念にするのではなく、「外向き」(お客様視点)の経営理念にすべきだと私は考えているのです。
もちろん、「笑顔で頑張るぞ」という文言がダメなのではなく、理念としてはふさわしくないので、社是や行動方針のひとつであれば、何の問題もないと思います。
理念を追求することが、採用数アップにつながるのでは?
また、この「お客様の役に立つ」というのは、飲食店の場合、お客様に対して「食という場を提供している」ことや「食という場所を提供し、日頃の疲れを癒したり明日からの活力にしてもらっている」であるはず。
この考え方、「私たちが世の中の役に立っている」「お客様の役に立っている」ということを私たち飲食店で働いている人が理解し、これをいい意味で「誇り」に思えるようになるでしょうし、また、自分たちの存在意義を高めることにも繋げられると思うのです。
だからこそ、自社の理念を大切にし、それを皆で常日頃から深め、考えることで、「お客様に役に立つことって何だろう」と個人個人が考え、行動することができれば、お店もきっと良くなるでしょうし、個人個人が飲食の仕事を好きにさせることもできるのではないかと思っています。
昨今の飲食店業は、人不足であり、その一つの原因が「キツイ、汚い、危険」という”3Kのイメージが強い”というのもあると思います。
確かに、労働時間が長かったり、ずっと立ちっぱなしのことが多かったり、休みも他業種からすると少ないかもしれません。しかし、仕事自体は、とても誇れるものであり、また、とても楽しく、面白いものであると思うのです。
ただし、こういったことを知らない人が多いため、どうしてもイメージが悪くなってしまうのだと思います。
もちろん、まだまだ、働く環境自体は変えていく必要性はありますが、働くことのメリット、楽しさをもっと発信していくことも今後の飲食企業には求められるのではないかと思います。
その一環が、「理念の追求」になるのではないかと私は考えているのです。
だからこそ、コンサルティングでは「理念」を深めること、浸透させること、理念をもとに行動するとはどういうことかということをご支援先に伝えるようにしています。