(4)マネージャー仕事の8割は、「前準備」である!

コンサルタントの仕事を初めて、30年近く経ちますが、とても重視しているのが「スケジューリング」です。
 
日々を過ごす中で、突然仕事が入ることもありますが、毎月ご支援先に数回訪問することが決まっていますし、また、時にはZoomで打ち合わせをすることもあります。
 
また、この訪問や打ち合わせも、ただ、「そこに行けばいい」というわけではなく、必ず何かしらのテーマ(課題)があり、そのための準備も必要になります。
 
そのためにも、各ご支援先でやるべきことなどをリスト化し、その上で、その仕事を訪問日や打ち合わせ日に合わせて、いつまでに作成すべきなのかまでをスケジューリングしています。
 
もし、これが上手くいっていないと、「やべ!明日、●●さんに訪問なのに、何もできていない!」という状態になってしまうため、極端に言えば、毎日スケジュール帳(今はGoogleカレンダーやGoogleのToDOリストを使っています)とにらめっこし、「1週間後のこの仕事のために、これを考えておこう」という感じで、日々、仕事をしています。
 
 
マネージャーも最初の頃は、担当店舗は少ないと思いますが、徐々に担当店舗が増えてきます。そして、その中で、各店の課題ややるべきことを自分なりの整理の仕方をしておかないと、ただ、日々を時間に任せて過ごしていくことになってしまうのです。
 
 
そこで、マネージャーの方にもやって欲しいのが、上述した「スケジューリング」なのです。
 
 
このスケジューリングは、単に、「どこどこの店に行く」というスケジュールを立てるのではなく、臨店したお店で何をするのか、という目的もあらかじめ、月初の段階で考えておくのです。
 
 
私のご支援先では、マネージャーに対して1ヶ月の仕事をPDCAを自然と回せるように仕事を組み立てています。
 
月初に行動計画(顧客不満足の改善。できれば先月末までに完成させる)
1週目に行動内容の再確認、2週目(15日ぐらいまでに)に行動計画の進捗確認と数字(FLコスト)の確認。
3週目(20日前後)に、臨店(顧客目線チェック)を行い、問題点の抽出を行い、また、来月の予算を立てる。
 
これが基本の流れとしてあり、この仕事を中心に各店の臨店指導やシフトインをこなしていくという流れになります。
 
この流れを踏まえ、1ヶ月のスケジュールを組むときに、訪店した際に何をするのか、また、何を見るのかの目的を先に決めます。
この目的を先に作っておかないと、「ただ店に行くだけ」になってしまいますし、また、店に行く際には準備が必要な場合もありますので、「何をするのか」まで考えておかないと、準備もできないまま訪店することにもなるので、月初の段階で、「どこに行くのか」「そこで何をするのか」「それまでに何を準備するのか」までを考えるようにしてもらっているのです。
 
 
また、マネージャーに非常にうるさく言うのは、各店の問題・課題を常に把握しておくことです。私のご支援先では、先述した通り、毎月、行動計画(顧客不満足の改善)を行っていますが、これがどの程度進んでいるのかを常に把握させるようにしています。
 
この課題さえ把握しておけば、突然、シフトインをすることになったとしても、改善の進捗を確認したりすることもでき、ただ単に「店で”1”スタッフとして働く」ことを避けることができるのです。
 
そして、日々数字をチェックしながら、例えば、原価率が若干高いのであれば、在庫が過剰になっていないかなども、訪店する前に”事前に”チェックするなども行ってもらっています。
 
 
つまり、マネージャーの仕事をより効果的に行うためには、「担当店舗に行く前の準備」が非常に重要だということです。
 
 
10年ぐらい前に、「マネージャー不要論」を唱える人がいました。今でも「マネージャーなんか必要ない」と考えている方もいらっしゃると思います。
 
その一番の原因は、マネージャーという役職を作ったとしても、単に、「店の助っ人になるだけ」「シフトの穴埋め」「クレンリネスのチェックマン」という仕事しかしないから、というもの。
 
 
しかし、それは、どんな仕事をするべきか、どのように仕事をするべきかまでマネージャーに落とし込みをしていないため、「不要論」なるものがでるのです。
 
きちんと、マネージャーの仕事を確立し、その仕事を確実に実行させるようにすれば、必ず、店舗に利益(店舗の売上・利益向上、店長育成)をもたらせます。
 
そのためにも、この「前準備」が非常に大切で、ただ、スケジュールをこなすだけでは、「マネージャー不要論」が鮮明になるだけです。
 
マネージャーには、「前準備」を徹底させましょう!