(3)「あら探し」ではなく問題解決が、 マネージャーのミッション

マネージャーになると、「店の指摘をすること、ダメだしをすること」が仕事だと勘違いしている人がたまにいます。
また、自分が店長の時にはそれほど気にならなかったことも、店舗を客観的な目線でみると、気になって、指摘ばかりする人もいるようです。
 
 
そこで、考えるべきことは、「マネージャーの役割とは何ぞや?」、ということ。
 
マネージャーは指摘するのではなく、店の問題や課題を見つけたときに、その「問題や課題を2度と出ないように指導すること」が、本来のマネージャー業務なのです。つまり、「問題解決する」ことこそが、マネージャーの仕事なのです。
 
この役割を果たすためにはどうすべきかと言えば、「正しい仕事の進め方」を覚え、その手順に沿って仕事をすすめるようにすることです。
 
「正しい仕事の進め方」とは、
 
1:現状把握
2:問題点の抽出
3:問題点の絞り込み
4:問題の原因追及(根本原因の明確化)
5:対策・立案
6:動機付け・仕組み化
7:行動
 
という 順番です。店には色々と問題がありますが、最もダメな仕事の進め方が、問題を発見したら、何も考えず、すぐ問題を改善しようとすることです。
 
なぜ、これがダメなのかと言えば、問題には”必ず原因”があり、この原因を確実に消さない限り、また、同じ問題が起こってしまうのです。先ほどもお伝えしましたが、「2度と問題が起こらないようにする」ことがとても大切なのです。
 
なので、何か問題があったときに、例えば、朝の開店業務に漏れをマネージャー自身が見つけた場合、それをマネージャーが”さらっとカバーしてしまう”と、きっと明日も同じように、その作業は漏れて、誰もやらないまま営業をすることになるのです。
 
 
しかし、本来の仕事のあり方としては、「開店業務の漏れがなぜ起こるのか」を考えるのが大切で、ここで「正しい仕事の進め方」の4番、問題の原因追及を行うのです。
 
「なぜ?、なぜ?、なぜ?・・・・」
 
と自分で自問自答し、その原因を探るのです。
先ほどの開店業務の例で言えば、
 
・やるべき業務をいつの間にか忘れてやらなくなった
・人がいなくて、やる時間がない
・実はやっているけれど、質が低かった
・そもそもやらなければいけないと思っていない
・その時間、熟練したパートさんがおらず、アルバイトで作業を行っていた
 
などなどと、原因を考えられるだけすべて抽出しその中から、その店の問題の原因として突き止め、そして対策を実行することが重要なのです。
もし、原因追及せず、ただ、厳しく「なんでこれやってないの!」と指摘するだけでは、また、同じ問題が起こるだけで何の問題解決にも至っていないのです。
 
この場合であれば、開店業務リストをもう一度作り直し、このリストに従って仕事をしてもらう。また、最初のうちは「クセ付け」のため、非常に面倒ですが、開店業務が終わったら、その業務が終了している証を写メで送ってもらうなどして、確実に業務を実施させ、それをチェックする。これがマネージャーの仕事なのです。
 
「正しい仕事の進め方」の6番目に、「動機付け・仕組み化」とありますが、仕組み化とは、先ほどの開店業務のように、「誰がいてもできるようにすること」「確実に実行する方法」を構築するのが仕組み化です。これができないと、毎回、同じ問題が店で起こるようになってしまうのです。
(動機付けは、後日詳しく解説いたします)
 
 
世の中のマネージャーに結構あるのは、単なる「チェックマン」や「シフトの穴埋め」になりがちなことです。
 
そうなると、店の人からの信頼を得ることも難しくなり、ただの「便利屋」としか認識されなくなるのです。
このようなマネージャーにならないためにも、まずは、「正しい仕事の進め方」を覚え、この通り仕事を進めることを心掛けましょう。そうすれば、いつか、店から「頼りにされる」マネージャーになれると思います。