(7)「話す」「聴く」「書く」スキルの強化を図ろう!
飲食店で働く人の多く(最近は皆ではないようですが・・・)が目指すのは、お店のトップである店長だと思います。その店長に求められるスキルはたくさんあると思いますが、私は、「話す」「聴く」スキル。そして、「書く」スキルが最も求められると考えています。そして、この3つのスキルを高める取り組みを会社全体で行うことが本当に重要だと私自身考えています。
なぜ、この3つのスキル「話す」「聴く」「書く」が大切なのか?
まず、「話す」スキルですが、飲食店は多くのパート、アルバイトさんに働いてもらって成り立つビジネスモデルです。そのために、彼ら彼女らに仕事ができるようにするために「教える」ことが必要です。
その際に最も必要性が高いのが、「話す」ということ。
相手にいかに分かりやすく「話す」ことができるかで、こちらのやって欲しい仕事を確実にやってもらえる率は大きく変わります。
相手が分かりやすく、理解しやすいように話せるか、そして、的を得た話(目的やゴールをきちんと伝えられる)ができるかがとても重要です。
また、店のトップとして店をどうしたいのかや本部からの伝達事項などをしっかり伝えることができることも店長には求められます。
店のトップの意思が分からなければ、部下はトップについていこうとは思いません。だからこそ、自分の意思や伝えたいことを、分かりやすく「話せる」ことが必要になるのです。
こういったことから、「話す」スキルがとても重要だと私は考えています。
そして、次は、「聴く」スキル。
これは相手の言いたいこと、考えていることなどを上手く「引き出せる」ということです。単純に、相手に寄り添って話を聞ければいいというのではなく、相手の真意を探ったり、または、相手を成長させるための「質問力」なども、この「聴く」には含まれます。
部下は、自分の話をしっかり「聴いてくれる」人にロイヤリティ(信頼性)を感じます。いわゆる「コミュニケーションがしっかりとれる」ということなのですが、これは一方的に話すだけではだめで、相手の話をいかに「引き出せるか」がとても重要。
これは、「コーチング」を学ぶことで聴くスキルを高めることができますが、普段から相手の話を聴く、あるいは、相手にいかに話をさせるかを意識していくだけでも「聴く力」は高められると思います。
さて、最後の「書く」スキルですが、これは飲食業のスタッフが最も苦手とするスキルかもしれません。
普段、ご支援先等で「勉強会」を実施した後にレポートを記入してもらったり、毎日の業務日報を書くことを仕事のひとつとして課しています。
たくさんのご支援先でこれらのことをやっていただいていますが、なかなか苦戦している人をたくさん見かけます。
私は、ここ30年近く「書く」ことも仕事の一環にしているので、「書く」ことを”苦”と感じたことはあまりありませんが、「書く」ことにより、自分の考えを整理できたり、頭で考えているだけよりも、いざ「書く」ことで新しいアイディアがでてきたりする経験をたくさんしています。
なので、「書く」ことができることのメリットをより感じているため、皆さんにもこのスキルを向上させて欲しいと思っているのです。
これまでの投稿でも何度も述べていますが、今はただ「営業」しているだけでは売上を持続的に向上させることは不可能だと思います。
店の課題を整理したり、何をするかの具体的な行動内容を「書く」ことで整理することがとても重要なので、やはり、「書く」スキルは店長になるためにも、また、それ以降のことを考えてもとても重要なスキルだと思います。
この3つの「話す」「聴く」「書く」を経営者自身が重要だと認識し、このスキルを伸ばすために、日々の仕事の中に組みこんでいくことが、結果的に組織、会社を成長させることに繋がると思います。
ですから、トップや幹部がこの3つのスキルに苦手意識を感じているようでは、これらのスキルは、会社全体で伸ばすことはできないでしょう。
そのためにも、まずは、この3つのスキルの向上をトップ、幹部自らが率先して伸ばす努力をされてみてはいかがでしょうか?