(2)店長に「店の問題」を考えさせてはならない!
今の時代、「ただお店を営業しているだけ・・・」では、売上が上がるはずがなく、なんなりと課題を設定して、その課題解決のための行動を日々送っているお店が多いかと思います。
ただし、ここで心得ておいて欲しいことがあります!
それは、店長さん自身に「課題」や「問題」を設定させる社長さん、幹部さんがいらっしゃいますが、基本的にはこの仕事を店長にさせるのは、荷が重いですし、「ムリ」だということです。
「課題や問題を自分で設定するのが”ムリ”だなんて・・・」
「そんな難しいことじゃないし、それぐらいのことできないの・・・?」
とお思いかもしれませんが、課題をみつけること、問題を特定するというのは実はとても難しいですし、課題をどう設定するかで店の売上にも大きく関わってくるのです。
さて、そもそも(これは14日目の投稿でも言及していますが・・)
店の問題をどう捉えるかということがとても大切なのですが、皆さんは、店の問題というとどんなことをイメージされるでしょう?
私は、これまでご支援先でコンサルティングを開始する際に、各店長と面談をする機会が多いのですが、その中で必ず行う質問があります。
それは、「今の店の問題を教えてください」というもの。
すると、この質問に対して、95%以上の人が、
・エアコンが効きにくくなっている
・トイレのドアが壊れている
・〇卓の椅子が壊れている
・人が集まらない
などなど、店のハードに関すること、そして、どの店でも課題となる採用に関することを課題としてあげる店長がほとんどです。
お店での問題、例えば、「提供時間が遅い」「商品クオリティにバラツキがある」「思ったようなサービスができない」というようなことをあげる店長さんは皆無なのが実情です。
店の売上を上げるためには、基本的にはいかに「顧客満足度」を向上させ、そして、自店のお客様、つまり、固定客、常連様をどれだけ作るかがポイントになります。(もちろん、お店によってはこれ以外に売上を上げる方法もありますが・・・)
そして、どう「顧客満足度」を上げればいいかと言えば、逆に言えば、お客様の「不満」を如何に取り除くかということになります。
すると、お客様の「不満」は何かといえば、もちろんハード的なこともあるでしょうが、ほとんどがオペレーションに関すること、すなわち、「お客様への接客態度」「商品の提供時間」「商品の品質」「サービス力」などなどになるはず。
お店の課題、問題というのは、お客様を「不満」にさせること、つまり、先述したお店のオペレーションに関わることになるのです。これをどう改善していくかがお店の売上と大きく関わることになるのです。
まとめると、課題・問題を定義すると、課題・問題=「お客様不満足」であり、それはオペレーション上の課題となるのです。
ですが、このお店のオペレーション上の課題を店長自ら発見するのは、実は非常に難しいのです。なぜなら、店長自身がお店の営業に入り込んでいるので、客観的(俯瞰的)に店を見て、問題を見つけることは至難の技になるからです。
もちろん、発見できる店長もいますが、それは店長が営業中に自店を「俯瞰できる」ポジションで働いている人のみです。また、自店で働きながら「俯瞰」して店を見るというのは、とてに高いスキルにもなるでしょう。
また、もう一つ問題を発見できない理由としては、店長自身が店の「あるべき姿」を理解していないということも上げられます。問題というのは、「あるべき姿」と「現状」のギャップが課題であり、問題です。なので、問題・課題を抽出するためには、そもそも「あるべき姿」を理解していることが前提となるのです。
しかし、店長自身が自店の「あるべき姿」を理解している人はほとんどいないのが実情。なので、問題を発見するのが難しいのです。
このように、課題・問題は店長自身に発見させるのは非常に難しいので、これを店長にやらせるのではなく、店を客観的に見れる、幹部やマネージャーがその役割を担うことが得策と言えるでしょう。
「問題も見つけられないのか・・?」
と思うかもしれませんが、「問題を見つける、抽出する」というのは、実は非常に高いスキルが求められのです。これを店長にやらせること自体がムリがあるということを、社長さん、幹部さんには理解していただきたいです。