(7)「できてない」と指摘する前に「何が原因か」と考えるのが指導のコツ!

前回の投稿で、「教えるとは、相手をできるようにさせること」ということをお伝えしました。
※「『教える』とは『伝える』ではなく『相手をできるようにさせる』こと」
 
相手が「できるようになる」、また、一度教えたことが継続して実施するようにするためにも、「教え方」が重要で、その第一歩として、方程式に沿って教えよう、それが、「指示だしの3原則」であるとお伝えしました。
 
どんな仕事も「目的」(何のためにやるのか?)、「ゴール」(どの状態が正解か)、「期限」(いつまでにやるのか、どれぐらいの時間でやるのか)を必ず伝えることが、これが指示だしの3原則です。
 
 
アルバイト・パートに立派な戦力として働いてもらうためには、「できるようにさせる」ことが重要で、そのためにも、「フィードバック」を重要視して欲しいと思います。
 
フィードバックとは、「できている」「できていない」ということを相手に返すこと。もちろん、「できている」としっかりと相手に返すこともとても重要で、これがないと相手が不安になるからです。
 
「褒めるのが苦手・・・」という人が結構いると思いますが、褒めるのが苦手な人ほど、この「できているよ!」「それでいいよ!」と相手に返してあげるといいと思います。それも「褒める」のひとつになるからです。
 
 
さて、最近、アルバイト教育で多くの社員さんを見ていて非常に多いなと思うのが、「指摘する」ことが教育だと思っているということ!
 
「これ間違っている」「これやってないよ」「なぜ、これやらないの?」
 
などなど、”ダメな部分”を指摘することが教育・指導と思っている人が結構多いなと思っています。
 
ただ、「相手をできるようにさせる」が教えるのゴールであることを考えると、相手にただ「指摘する」だけで、相手ができるようになるわけがありません。
 
なので、フィードバックをする際には、まだ仕事がうまくできない人に、「何が原因で、その仕事に苦戦しているのか。そして、そのために、どんなことに取り組めばいいのか?」とフィードバックすれば、少しずつ、相手はできるようになるはず。
 
 
「何が原因で、その仕事に苦戦しているのか。そして、そのために、どんなことに取り組めばいいのか?」
この考え方を以前研修で行った事例をもとに解説します。
 
 
例えば、コンビニに行くと、なんとなく「印象が悪い人」っていますよね?
 
で、これを題材に、「なぜ、この人は印象が悪いのか?」
を考えてもらいました。(この、「なぜ」がポイント!)
 
すると、
・笑顔がない
・声が低い
・アイコンタクトがない
・清潔感がない
などが、その原因として挙げられます。
 
そして、この人を
「印象をよくするためには、どんなことに取り組ませればいいですか?」
ということを考えてもらうと、
 
・笑顔の作り方を教えて、毎日、トレーニングする
・ワントーン上げて、声量もアップさせる→これも毎日発声練習する
・アイコンタクトのやり方を教える→相手の鼻のあたりに視線をむけるようにする
 
などと、対策を考えてもらいました。
最初に、「なぜ、印象が悪いのか?」と「何に苦戦しているのか」の原因を考え、そして、「どうすればよくなるか」と「どんな取り組みをして改善するか」ということをこのように考え、アルバイトを指導するのです。
 
「笑顔がない。もっと笑顔意識して!」と指摘だけするのではなく、笑顔つくりのポイントを教えて、毎日、一緒に笑顔トレーニングを行えば、相手も「自分に向き合ってくれている」と感じ、関係性も深まるでしょうし、具体的に”笑顔になるように改善”しているので、少しずつ笑顔もでるようになるでしょう。
 
 
このように「指摘する」だけではなく、相手が何に苦戦しているのか、そして、どんな取り組みをして改善していくのか、ここまでを考えて相手と向き合い、指導することこそが、「アルバイト指導・教育」です。
 
そのためにも、「指摘する」で終わるのではなく、「何が原因で苦戦してるのだろう?」という原因分析することを日頃から意識するといいでしょう。原因が分からないと対策も立てられません。原因が分かれば、対策はある程度見えてきます。
 
 
「できてないよ」ではなくと指摘する(声にだす)前に、「なぜ上手くできないんだろう?」「何に苦戦しているんだろう?」と一瞬考える時間も設けてみましょう。この時間をとる習慣をつけていけば、徐々に、アルバイト指導のスキルも向上すると思います。