(10)「飲食を楽しませる」ことができる店に人は集まる!
今の飲食業界の課題の一つが、「人不足」。
これに対応するために、店内のオペレーションでは、タッチパネルの導入やお客様のスマホを使った注文などを導入する店が増えてきました。また、配膳にロボットを活用する店も増え、少しでも人不足の課題を解決するために様々な工夫をされています。
ただ、これはあくまで私の考えですが、やっぱり外食した時には、
・スタッフの方から今日のおすすめを案内してほしいし、
・注文時に自分の想像がつかない商品があった場合は、その説明もして欲しいし、商品をもってきてくれたときも、何か一言添えてくれて、より美味しい食べ方をお知らせしてほしいし、
・食事を楽しんでいる間も、空いた皿は自然に下げてほしいし、
・注文する手間を省くためにも、声掛けしてほしい・・
と思っています。もし、上記の体験が飲食店でできないなら、私は、デリバリーで家で、友達や恋人と食事を楽しむ方がいいと思ってしまいます。逆に言えば、上記のような体験ができるからこそ、飲食店を利用する、外食するのではないかと思っています。
今の時代は、多様性が大切な時代になっているので、外食する目的も、「飲食できればいい」と思っている方もいらっしゃるでしょう。なので、そういった方は、上記のような体験は必要ないと思います。
しかし、「飲食や外食を楽しみたい」という方は、やはり、上記のような体験ができることを求めているのではないかと思います。
私は、飲食店の役割は、単に、「飲食を提供する」ことだけではないと考えています。色々なシーンで飲食店を利用すると思いますが、いずれの機会にしても、「食」を楽しみたいと思っている人がほとんどだと思うのです。
・家族でのためにの、外食のとき
・家族でのお祝い事のとき
・久々にあう友達と食事をするとき
・普段の仕事と食事をするとき
・恋人と食事をするとき
などなど、これらの機会は、すべて「楽しみながら」食事をしたいと誰もが考えていると思います。
なので、飲食店側は、お客様を「楽しませる」ことも大きな役割だと思うのです。だからこそ、「笑顔で接客しよう」というわけで、笑顔で接客するからこそ、お客様は気持ちよく食事ができ、楽しむこともできるのだと思います。
最近は、この「お客様を楽しませる役割が飲食店にはある」ことを教えていない店が多いなと感じています。
単純に、注文をとって、料理をもっていって、お客様が帰ったらかたずけをして、また、注文をとることを繰り返す。仮にこれだけが飲食店の仕事であれば、機械やロボットでも十分だと思います。
しかし、「お客様を楽しませること」も飲食店の大きな役割だとすれば、これは「人」にしかできないと思います。
システム化を進めるお店が多いからこそ、この飲食業の基本である「楽しませる」ということを徹底してできるお店に、人は集まるのではないかと考えています。また、こういったことが徹底できている店には、きっと、「ここで働いてみたい」という人も一定数いるのではないかと思うのです。
なぜなら、スターバックスが、こんな時代なのに、「人で困っている」という話を聞いたことがないからです。
・お客様と接客するのが好き、
・お客様と会話するのが楽しい、
・お客様を楽しませるのが好き、
スターバックのお店を利用した人は、こういった気持ちで働いている人に憧れ、スターバックスで働きたいと応募してくるのでしょう。
こんな時代だからこそ、「飲食を楽しませる」という基本を徹底できる店に人は集まるのではないでしょうか?