(2)お客様の「潜在ニーズ」に対応するための取り組みを継続できる
日々の営業の中でよく、「お客様目線が大事!」ということが言われます。これは誰もが同意することで、皆、色々な施策を行う際に「お客様目線で考える」ということを話されます。
そのため、お客様の声を実際に聞いたりすることが大切と言われるわけですが、ただ、すべてのお客様の声を聞いていては、「普通」の店になってしまいます。
ニーズには、「潜在ニーズ」と「顕在ニーズ」があり、お客様の声を聞くということは、「顕在ニーズ」に対しての対応であるため、もし、この声ばかりを聞いて店つくりに活かしていると、どうしても「普通」のお店になってしまうのです。
ひとつ、以前、私がご支援していた会社であった事例をご紹介しましょう。
ある会社で居酒屋の宴会メニューを考えているときに、私が、
「これいつも一緒のメニューやん。それに、唐揚げが宴会メニューに入っていて、お客様喜ぶと思う?」
と投げかけると、
「いや。お客様喜んで食べています。だから、唐揚げをだす方がいいと思います」
と答えるのです。日本人は、唐揚げが大好きです!だから、数年前に唐揚げ店の出店が相次いだのみても明らかです。
ただし、唐揚げで喜んでいるわけでもないのです。たまたま出てきたから喜んで食べているだけで、その店独自にアレンジした商品があればそれを出した方が、よりお客様は喜ぶはずなのです。
なぜなら、普段食べれないものが宴会にあり、他でもあまり食べたことがないものがあるとそちらの方が喜びは大きいはずなのです
これが、顕在ニーズばかりに対応している例であり、「他店と差別化」したり、お客様に飽きをこさせないように、何度も何度も足を運んでいただくためには、お客様の「潜在的なニーズ」をどう読み取って、様々なもの(商品だけでなく)を提供していくことが重要なのです。。
お客様は、無意識のうちに、お店を”スイッチ”します。
決して、悪い気もしないし、不味いわけでもないし、特に不満もない・・・
でも、毎回同じメニューばかりで、何か新鮮さがない・・・
悪いわけでもないけど、何か物足りないなあ・・・
こんな風にお客様がお店を利用した後、あるいは、今日どこかに行こうかと思ったときに感じてしまうと、
「今日は、いつもの●●じゃなくて、違うところに行ってみる?」
となってしまうのです。今は、検索すれば店はすぐに見つかります。
もし新しい店に行って、すごく良かったら、お客様は新しい店をしばらくは利用するようになるのです。
きっと皆さんにもこんなことはあるはずで、決して「不満はないけど・・」店をスイッチされることは今の時代多々あるわけです。こういった事態を少しでも招かないようにするためにも、何か新しいものを常にお客様に提供していることが大切で、その新しいものがあることで、何度も何度もお客様は気が付けばその店に足しげく通うようになるのです。
今は、人不足やスタッフの週休2日制、時間短縮などの動きによって、スタッフが「考える」時間が大幅に減りました。そのため、以前よりも、現場スタッフが自分たちで色々な商品を提供したり、イベントしたりすることが、本当に難しくなりました。
ただ、この時間がなく、ただ、「営業する」だけになると、上記のように自然とお客様に店をスイッチされ、いつの間にか売上は低下していくだけなのです。
こういう事態を避けるためにも、スタッフの時間の使い方、特に「考えさせる時間」を強制的にシフトの中に組みこんで、考えさせるようにしたり、もしくは、本部側で徹底的にサポートするのかの体制を強化することが今の時代非常に必要になってきていると思います。
お客様からすると、気が付いたら、いつも行っている店。
誰かに紹介欲しいって言われたら、いつも、頭の中の検索1位になる。
こういった人をたくさん増やすためには、お店が絶えずお客様の潜在ニーズを意識しながら、常に、新しい何かをお客様に提供し続けることが大切です。なかなかこれを継続することは難しいことですが、「売れ続ける店」になるためにも、時間を上手く活用して、「できる方法」を模索していきましょう!