(7)仕事の基本である「会話のキャッチボール」を大切にしている
コンサルティングを進める中で、社長やスタッフと会話をする中で、「会話のキャッチボール」ができるかどうかをひとつの指標(仕事ができるかどうか)としています。
「会話のキャッチボール」というのは、Aという話をしているとき、すなわち、Aというボールを相手に投げた時、会話が成り立つのは、「Aに関連する”A’”(エーダッシュ)でボールを投げ返す」からこそ、会話が成り立ちます。
反対に、Aというボールを投げているのに、Gぐらいでボールを返してくると話が成立しません。なぜなら、全く違った答えを相手に返しているからで、これでは会話が成り立たず、話が嚙み合わなくて議論を深めることができませんし、何も相手に伝わらないのです。
得てして、「会話のキャッチボール」ができない人というのは、何か仕事をするにとしても、ポイントが「ズレていて」、必ず、「そうじゃないじゃん!」ということが度々起こります。
原因としては、昨日の投稿と同じ理由になるのですが、相手の話をしっかり聞いていないことが原因で、きっと、話の3分の1ぐらいで、分かったつもりになって、残りの3分の2の話をきちんと聞いていないのだろうと思います。
あとは、「思い込み」が過ぎるということもあり、こちらが「●●は、こういう経緯で、これが原因になっているから、××ですよ」と話しても、自分で決めつけてしまっていて、こちらの話には全く耳を貸さない状態になります。
社員やスタッフであれば、「話の論点がズレてるよ!今、●●について話しているんだよ」と指摘できるのですが、これが社長となると、なかなかそのまま指摘することは難しくなります。特に、周りにスタッフがいるときは、社長のプライドを考えて指摘するのは難しいものです。
成長しない会社の社長には、実は、この「会話のキャッチボール」ができない人が多く、話をしていても、論点がズレたり、思い込みでこちらの話を聞き入れないということが多々あります。こちらからすると、行動を起こす前から結果が見えていることも多く、とても歯がゆい思いをすることがたくさんありましました。(今のよくあることです・・・・)
やはり、成長する会社の社長というのは、きちんと相手の話を冷静に判断したり、状況をじっくり判断する人が多いように感じます。
例えば、売上が低迷している店があったとすると、じっくり店をみたり、数字をしっかり分析して、仮説を立てたりしながら、原因をしっかりと抽出して、その上で改善策を考えて、部下に指示をだします。
反対に、イマイチ成長しない会社の社長は、原因分析をすることなく、すぐに指示をだしたり、その指示も的を得ていないこともあり、結果を出す確率が非常に低いように思います。
結果がでるというのは、正しい仕事の進め方をするからであり、目の前の現象をみて、対処療法的に対処するのではなく、根本原因を探り出し、その根本原因をどう解決するからこそだからなのです。
つまり、成長している会社の社長は、問題解決に当たってのストーリーを大切にする傾向が強く、それをスタッフにも求めるため、いい意味でじっくりと考えて対策をだす習慣がついているようです。だからこそ、結果がでやすいんですよね。
仕事を成果をだすためには、「正しい仕事の進め方」で仕事を進めるのが重要です。現状を把握し、そこから問題点を抽出する。そして、その問題点の根本原因をつかみ、この根本原因を解決するための対策を立案し、そして行動する。これが、「正しい仕事の進め方」です。
「会話のキャッチボール」ができない人ほど、思い込みや思いつき、他の人が言っているから、やっているからで判断する人が多いように感じています。だからこそ、判断を間違えたり、結果がでないのです。
正しい仕事の進め方を身に着け、じっくりと原因分析し、その上でセオリーなどを加味したうえで、判断し行動することが、結果をだすためのコツです。これを社長自身が行わないと、部下はただ思い付きだけで行動することが多くなり、その結果、行動しても結果がでる確率はどうしても低くなってしまいます。
野球でいえば、キャッチボールは基本の基本。
仕事においても、「会話のキャッチボール」を丁寧に行うことで、「何について話しているのか」を大切にしながら、正しい仕事の進め方を社内で共有していくようにしましょう。それが成長し続ける会社になるための第1歩になると思います。