

3店舗ぐらいの会社でよく起きる事例
3店舗ぐらいの会社でコンサルティングを行っている際によくあること。
店長会議をしている中で、店舗オペレーションの質をどう向上させるか。そのために、どんな準備や対策が必要なのかと話し合っているときに、社長からこんな質問が・・
社長:「この仕込みや準備。毎日、どれぐらいやってる?」
店長:「えっ??、そんな準備、今までやったことないですが・・・」
社長:「マジか!昔は、やってたんやけどなあ・・・」
この「昔はやってたんだけどなあ・・」という言葉は、3店舗ぐらいからよく聞くようになります。
原因としては、3店舗ぐらいだと、確立されたマニュアルや仕組みがなく、過去は重要だけど”なんとなく”やっていたことが、言語化されていないことや「この仕事はこういう目的があって・・・」と仕事の目的や重要性を伝えず、ただただ、「作業」として仕事をやっていたことで、いつの間にかやらなくなってしまうのです。
仕込みや準備であれば、まだ直接商品や接客につながることが、いつの間にか「辞めてしまう」ことで、品質が下がってしまうということはよくあることです。
ただ、先ほど、「言語化されたものがない」ということをお伝えしましたが、仮に、「マニュアル」がある程度整備されている会社でも、実は、こういったこと(いつの間にかやらなくなる)は、よく起こります。
仕事を作業として「教えて」しまうと・・・
では、なぜ、そういったことが起こるのか?
それは、「マニュアル」はあくまで作業手順書であり、そこに「目的」、なぜこの作業が必要なのか、とか、「ゴール」、仕上げの状態、どこまでできていて始めて正解なのか、までは記載されていないケースがほとんどです。
ですから、社員がアルバイトに仕事を教える際も多くの場合、「作業」として教えていることがほとんどだと思います。そのため、アルバイトはその仕事の重要性や目的など何も理解せず、ただ、作業として淡々と仕事をするでしょう。
しかし、忙しくなったりすると、間に合わせるためにその作業を飛ばして行ってしまい、それがその時にそれほど問題がないとなると、その後も、「手を抜いた状態」(作業を飛ばした状態)で作業を続けることになり、それが、「いつの間にかやらなくなる」ことに繋がってしまうのです。
多くの人が、「教えている」ではなく「伝えている」だけなので、仕事が作業になる
人は、「教わる」ときに、
「この作業はこういう意味があって、こういう目的があって、この作業がないと、こういった問題が起きたり、味にこういう影響がでるんだ!だから、確実にこの作業を行ってほしいし、この状態まできちんと仕上げてほしい」
と作業の重要性を伝えられると、きっと、緊張感をもって仕事をすることになるでしょう。しかし、
「これ、こうやって、やっておいて!」
と、ただただ「やリ方」だけを伝えているだけでは、その後の仕事の質がどうなるかは明らかに明白だと思います。
私は研修等で、社員さん、店長さんに、”厳しい”ですが、こんな風に話しています。
「皆さんは、『教えている』のではなく、『伝えている』だけです。作業のやり方を伝えて、そして、『なんでそのとおりやらないの?』と指摘するだけ。
『教える』とは、『相手をできるようにさせること』であり、皆さんは『できるようにさせる』ではなく、『伝えているだけ』なのです」
と。だから、質もすぐに下がってしまうし、「できる」アルバイトの数も限られている場合が多いのです。たまに「できる」アルバイトさんがいるのは、それは、社員さんが育てたのではなく、アルバイトが「勝手にできるようになった」だけなのです。
「教え方」次第で、売上が大きく変わる!
店舗の質が下がると売上は間違いなく下がります。
その要因は、多くの場合、「教える」ことの問題が多くで、「教え方」を皆でレベルアップするだけで、この質の低下は多くの場合、止めることはできるはずです。
そのためにも、「教える」方程式を学ぶことが重要です。
なんとなく、作業手順を教えるのではなく、方程式にのった形で相手に教えるようにするのです。
その第一歩が、「指示だしの3原則」です。
指示を出す際や教える際に、絶対にこれを伝えようというもの。
1:目的→その仕事は何のために行うのかを伝える
2:ゴール→どの状態までやるべきかを伝える
3:期限→いつまでにやるのか。どれぐらいの時間でできる仕事なのかを伝える
以上、3点を必ず教える際には伝えるように心掛けるのです。
そして、その上で、その仕事がうまくできるようなコツ、ポイントを伝えたり、相手の仕事ぶりを見て、何に苦戦しているのか、どんなことに気を付ければもっと上手くできるようになるのか、などをフィードバックする。
その上で、また、やってもらって、また、フィードバックする。この繰り返しで相手ができるようになるのです。
これこそが、「教える」ということなのです。
「教える」をもっと深めてみませんか?