(5)指導したことが確実に実行させるために、指導内容のメモを共有しよう
店の質を上げていくには、改善点を見つけ出し、それを積み重ねていくことです。マネージャーが客観的な視点で店を観察し、問題点を発見し、それを現場スタッフに改善させていくことで、顧客満足度を高め、売上を上げていく。この流れが社内に醸成されると、無駄に販促を実施しなくとも自然と売上は上がっていきます。
つまり、大切なのは、「指摘したこと」を現場がしっかりと改善し、それを積み重ねていくことです。
ですが、文章で書くとすごく簡単なのですが、実際にはこれを現場で実践していくのは、意外と難しいものです。
原因としては、
・マネージャーが指摘しても、現場がそれほど大きな問題と思わず、何も手をつけていなかったり、
・マネージャーが指摘したことを現場スタッフが正しく理解できず、違った改善を行っていたり、
・そもそも、マネージャーが指摘したことを現場スタッフが忘れてしまっていて、誰も手をつけず、また、マネージャーもそれを確認していない、
ということなどが考えられます。
そのためにも、現場に行った時の指導方法が重要になります。
私は、ご支援先のマネージャーに対して、店に行ったら、30分でも15分でもいいから「座って話をする時間を作りなさい」と指導しています。
訪店頻度によっては、毎回でなくてもいいのですが、何か指導したり、指摘する際には、立ったままなんとなく会話して伝えるのでは、「相手が聞いていない」可能性があり、これが指摘しても現場が何も改善しないに繋がってしまうのです。
また、「何が問題」で、「なぜ問題」かも分かっていない可能性もあります。
そうならないようにするためにも、きちんと理由を順序立てて話す必要があり、そのためにも、「座って話す」時間をとるようにして欲しいのです。
そして、話す際には、内容をしっかり整理して、改善点に対してひとつずつ文字に起こしながら、お互いが共有することも大切です。
今は、ノートパソコンなどを持参している人も多いと思いますので、打ち合わせをしながら、問題点や改善点、行動内容を打ち合わせしながら、それをまとめることをおすすめしています。
打ち合わせしながら、指摘したこと、やるべきことなどをPCで言語化すれば、「言った、言わない」という問題も解決します。意外にこの問題が多くて、そのため、マネージャーが指摘したことが現場では改善されていないことが多いのです。
打ち合わせの際に作成するメモですが、自分なりにテンプレートを作成し、例えば、毎月の行動内容がどのように進んでいるのかを記載する部分。
こちらは、訪店ごとにどう改善が進んでいるのかをまとめておく(メモとしておく)ことがいいでしょう。
そして、現場に行って気づいて指摘したことなども表にまとめ、これらが次回訪問した際に、確実に改善できているのか、この表をお互いに見ながら確認するといいでしょう。
あと、今は現場スタッフと共有できるクラウドサービスやアプリを活用し、マネージャーだけがメモを持っているのではなく、現場のスタッフも共有できるようにしておくと、現場も忘れずに見返せるのでとてもお勧めです。
指摘したことが、指摘したままで終わらせない習慣づけを行うこともマネージャーの役割です。そのための工夫も、上記の例なども参考にしながら行ってみてください。