(10)毎日を無駄にしない風土を作る!

飲食店の仕事は、基本的には毎日同じ仕事の繰り返しです。
 
朝、出勤して、掃除をしたり仕込みをして、開店準備を行い、営業に入る。
お客様をもてなしたり、商品を作ったり、暇になれば、掃除をする。
そして、ラストオーダーが終わったら、閉店作業を徐々に始め、すべてのお客様が帰ったら、レジ締めや売上報告などを行い、帰路に着く。
 
だいたいこんな毎日を過ごすことになるのですが、下手をすると上記に書いた業務を、”ただ”こなすだけで1週間、1か月、半年、1年と過ぎていくことになります。
 
 
ここからは、各々の考え方次第ですが、
ただただ上記のような日常を送っているだけだと、人としては成長しないし、毎日も充実しないでしょう。
 
私自身も現場にいた頃、毎日の業務が忙しくて、毎日お店に通って営業して帰るだけ。こんな日々を送っていましたが、私は自分の目標が「コンサルタントになる」ということだったので、その目標を思い出して、時には専門書を買って読んだり、気になるお店に足を運ぶことなどを意識的に行なっていました。
 
もちろん、飲食の現場が大好きで、人と触れ合うことが好きな方は、今の現場での仕事をそのまま継続して結構なのですが、何が大切かというと、「目標意識」を持つということです。
 
先ほどお伝えした通り、最も良くないのが、「ただただ日々を重ねていく状態」になっていることです。メリハリがなく、ただ、生活費を稼ぐためだけに店で働くことが、私は最も良くない状態だと思っています。
 
こんな状態で働いていると、どうしても上司や店、会社に対しての愚痴や不満が増えます。つまり、矢印を自分に向けず、他人に向けてしまっている状態なので、なんでもかんでも人のセイ、会社のセイにしてしまうのです。
 
 
しかし、いい意味で自分を中心に考え、自分の成長のために日々を過ごしているのであれば、矢印はいい意味で他人に向けることはありません。そんな時間はなく、自分のために時間を過ごしていくことになり、その方が人生は充実するのではないかと思うのです。
 
そのためにも、先ほどお伝えしたように、「ありたい自分の姿」を描き、日々目標をもって、毎日何らかの課題を自分に与えて仕事に取り組む姿勢が重要だと思います。
 
 
私のご支援先では、アルバイトに対して「仕事を楽しい」と感じてもらうために、毎日目標を課すように社員さんに指示しています。単なる業務的な指示や目標ではなく、相手のスキルが確実に向上するような目標を設定するようにしてもらっています。
 
なぜ、毎日目標設定しているかと言えば、毎日、アルバイトに達成感や承認されること(褒められる、認められる)を感じてほしいからです。毎日、少しでも「昨日よりできた」と感じたり、お客様から褒められたり、店長から認めれることが多いと、きっとこの仕事を「楽しい」と感じてくれるはずです。そして、それが「仕事が好きになる」につながり、どんどんこの仕事に打ち込んで、店にも貢献してくれるようになると考えているからです。
 
このように毎日何か目標があれば、「なんとなく過ごす」ということが少なくなり、人件費的にも有効に使えるという利点もあります。
 
これと同じように、社員も自分の3年後なり、5年後の自分のなりたい姿をイメージさせ、それを達成するために日々何に取り組んでいくのかを考えさせるようにするのです。
 
こうやって仕事を「自分ごと」と捉えてもらうような取り組みを組織的に行うことで、皆が「イキイキ」と働くスタッフが集まる集団になっていくと考えています。
 
 
「なんとなく日々を過ごす」のではなく、毎日、「昨日の自分を超える」という気概を持つ集団になることを皆さんの会社でも目指しませんか?