(9)リアルでのコミュニケーションスキルを強化しよう!
ここ10年ぐらい、色々な会社のコンサルティングを行っていて感じることは、アルバイトと上手くコミュニケーションを取れない人が多いということ。
例えば、仕事中(営業中を含めて)、社員が「お願いします」とアルバイトに仕事の指示をすることや、シフトが足りないときにアルバイトに「ここ入れない?」などと相談したりすることが、”できない”人が非常に多いようです。
”態度がでかい”とよく言われる私(ここは笑うところです、(笑))からすると、これは全く考えられないことなのですが、特に、20代の人に多いようです。
本人たちに聞いてみると、「指示をする」ことが、同年代の人からすると、「上目線」と見られることを嫌うということ(これもよく分からないのですが・・・)が感情的に働くからだそうです。
「仕事だから仕方ないじゃん?」と話すのですが、なかなかこれをクリアできない人が多いようです。
で、色々と原因を探ってみて分かったことは、こういった「指示ができない」「お願いできない」人たちの特徴は、アルバイトといい意味での「関係性」が構築できていない、のです。
この「指示できない」「仕事をお願いできない」人たちは、関係性が構築できていないことを無意識に感じているので、どうしても、アルバイトやパートさんとのやりとりは”ぎくしゃく”してしまいます。
ただ、これはこれで功を奏していて、ムリしない距離感で仕事を進めるので、相手(アルバイト、パート)からは特に不満やクレームもでないのです。
しかし、この関係性の大切さを全く理解できていない人(いわゆる無神経な人)は、むやみやたらに指示したり、仕事をムリに依頼したりするので、アルバイト・パートから不満がでたり、クレームになったり、場合によっては離職に繋がる場合もあるように感じています。
やはり、アルバイト・パートさんを言葉は悪いですが、「上手く使う」ためには、「関係性」がとても大切で、これがうまく構築できると、気持ちよく働いてもらえたり、助けてもらえたりするのです。
そのためにも、普段からコミュニケーションを取ることが必要で、これが店長に求められる「コミュニケーション力」のひとつなのです。
では、普段からどんなコミュニケーションをとればいいのか?
逆に、関係性を構築できない人の特徴としては、アルバイトやパートのことを”何も知らない”人が多いのです。相手がどこの大学に通っているとか、どこに住んでいるのか、趣味は何か、などなど。
今は、これらを聞くことをプライバシーがどうだとか言う人がいますが、こんなのは日常会話ですし、これらを言いたくない人は、逆に言えば、飲食店のようなチームで働く仕事には向いていないと思います。
だから、普通に「どこに住んでるの?」「将来どうしたいの?」とか「休みの日は、何しているの?」と友達に聞くような感じで普通に聞けばいいのです。そこから、お互いの接点を見つけ出し、例えば、趣味が同じであればそこを掘り下げれば、相手と共通の話題があるので距離を縮めることができるでしょう。
最近は、こういった会話をする人が少なくなっている気がしますが、恐らく、「相手に興味がない」のが大きな原因だと思います。
もし、相手に興味があれば色々聞いたりしますよね?
例えば、相手が異性で自分が興味のある人であれば、積極的に相手と会話をしようとしますよね?
それと”似たような”ことをすればいいのですが、要は、先述したように「相手に興味がない」からこそ、コミュニケーションを取らないのでしょう。
しかし、私たちは仕事として「飲食店」を生業としているしているわけですから、「仕事として」相手に興味をもち、相手との関係性を構築できるような「コミュニケーションスキル」を身に着けることが必要でしょう。
理論的に言えばオープンクエッションで、会話が広がるような質問をすればよく、そのために、よくいう「5W2H」を。私はこれを「7W2H1G」の視点を持たせて、これをもとに質問をしていくと会話がしやすくなることを研修等で伝えています。
スマホを使うことが普通で、会話よりも、メールやLineで「文字」でコミュニケーションを取る方が得意?な人が今の若い人たちには多いと思いますが、やはり、仕事の生産性を高めるためには、”リアル”のコミュニケーションスキルを高めることが必要だと思います。
この点に、トップや幹部は、「そんなの性格の問題でしょ?」などと思わずに、スキルとして捉え、どう組織としてこの「コミュニケーション力」を高められるかに取り組むことが今は求められていると思います。