●コンセプトをもっと深めよう!
 
「コンセプトをもっと深めた方がいいですね!」
 
売上が悪い店の社長さんや店長にあうと、必ずこの言葉をかけます。
でも、彼らの顔からは、

「コンセプトを深めたからって、売上なんか上がらないよ!それより、どんな商品をおけばいいのか、あるいは、もっと即効性ある販促を教えてくれよ!」

と言いたげな顔をしていることがほとんど。
しかし、コンセプトを深めず、日々、「どんな商品をおこう?」とばかり考えているからこそ、店の売上は向上しないのです。
 
 
 
飲食店の売上は、「90%メニュー構成できまる」と僕は考えています。

「飲食店」は、食べる、飲むが基本だから、何を食べてもらうのか、何を飲んでもらうのか?、が当たり前だが重要です。
 
これは、誰が食べるのかによっても、品揃えは変わってくるし、いつ利用するのか(シーン)によっても、品揃えは変わってきます。

だからこそ、ターゲット、利用動機、立地状況、消費形態の4つがそれぞれが繋がり、この4つに基いてメニュー構成が展開されることが重要であり、こういった状態を「一貫性がある」状態といい、今の時代この4つに基いて、メニュー構成、接客、店舗デザインが展開されていなければ売れる店は作ることはできません。

そして、もう一つ、お客様から見たときに、「他との違い」や「店の主張」がはっきり伝わることもとても重要。

今の時代、似たような店、業態がたくさんあります。作り手は、「ここが他の店とは違う」と思っている傾向が強いですが、お客様からすれば、「この店は、あの店と同じような形態だけど、何が違うの?」と感じるもの。
だからこそ、「何が他と違うのか」を明確に、つまり、「店の主張」をはっきりすることが重要なのです。
 

先日、お店のコンセプトについて、ある社長さんと色々と話し合っていました。

「どんな人に使ってもらいたいのですか?」
「その人は、年齢はいくつで、どんな仕事をしていて、収入はいくらぐらいですか?
「その人は、普段どんな店を利用しているイメージですか?」
「その人は、どんな料理が好きですか?」
 
とターゲット像を深める話から始まり、
 
「そのターゲットの人がどんなシーンで利用してもらいたいイメージですか?」
「グループで使ってもらいたい店ですか?それとも、2名様で使ってもらいたい店ですか?」
 
「ドリンクは何杯ぐらい飲んでもらって、何品ぐらい料理を頼んでもらいたいですか?」
と利用動機と消費形態を深め、最後に、店の根本部分である基本コンセプトを深める話し合いに入りました。

「で、何が他との違いですか?」
「お客様は、社長の店で、どんな体験ができるのですか?」
「何を一番楽しんでもらいたいですか?」
「お客様には何が提供できるのですか?」
 
と僕が問い続けました。
その結果、

「ありきたりじゃつまらない」
「常にお客様を驚かせたい」
「いつもお客様をワクワクさせたい」
「お客様に、『今日は何があるんだろう?』って期待を持って来店してもらえる店にしたい」

などというキーワード的な言葉がたくさんできてきました。
これをもとに、この店の根幹となる基本コンセプトを確立させました。

こんな感じで、コンセプトを深めていくと、「軸」がはっきりしてくるし、何で楽しんでもらう店なのかがはっきりしてきます。
そして、商品にしても、この店にあう商品は何なのか、ボリューム感はどれぐらいか、中心価格帯はいくらぐらいが適当か、などが自然と明確になってきます。

こうやって商品をつくるからこそ、コンセプトに基いた商品が作れるのであり、このようにコンセプトを深めず、ただ、”商品だけを考える”だけでは、店の「軸」がブレやすくなる。だから、お客様にも響かないのです!

あなたの店のコンセプトはしっかり深められているだろうか?