

エンゲージメントとは?
62日目の投稿「エンゲージメントを高めアルバイト・パートの「当日欠勤」を減らそう!」
にて、「エンゲージメント」という言葉、概念を紹介しました。
では、そもそも「エンゲージメント」とは何かについて今回はお伝えしたいと思います。
飲食業界は、人不足が課題の店・会社がほとんど。
これは慢性的な課題ではあるのですが、この課題を解決するために、時給や給与を上げたり、休みや働く時間の改善や福利厚生面などを改善させたりと、少しでも「働く環境」を改善に取り組んでいる会社・店が増えました。
特に、「労働環境」の改善はここ数年間で非常に進んだと思います。
今は、多くの会社で「週休2日制」が導入されてつつあり、完全週休2日制までに至らずとも、月に6~8日前後休日を設けるお店が非常に増えました。
また、「働く時間」に関しても、昔のように「12時間労働が当たり前」なところから、「8時間労働」に多くの会社が移行しているように感じます。
さらには、給与も少しでも採用率を高めたいためか、給与水準(社員、アルバイトとも)も非常に高くなってきたなと感じています。
エンゲージメントとESの違い
ただ、この働く環境を整備することも大切なのですが、私は、もっと目を向けるべきところがあると考えています。それは、「働きがい」です。
社員、アルバイトさんの「働きがい」をいかに高められるか?
それが今求められている、いや、それをもっと各会社、店が高めるべきだと考えています。
そこで着目されているのが、「エンゲージメント」なのです。
エンゲージメントとは、もともとは、約束、合意、契約などという意味。
今世間で言われているエンゲージメントとは、「社員各人が、”仕事に対してどれだけ主体的、自発的に取り組めているかどうかの意欲」という意味だそうです。
先ほど、給与面や働く環境(休日、労働時間)の改善ということを取り上げましたが、これは、働く人の「ES」(Employee Satisfaction)を高めることの取り組みと言えます。
ESもとても大切なことではあるのですが、ESはどちらかと言えば、給与や人間関係、福利厚生面に関しての満足度を指標化するもので、各人がどれだけ仕事に対してやりがいを感じたり、熱意をもって主体的に取り組めているかとは違ったものとなります。
給与をどれだけ上げても、「働きがい」がなければ、採用してもすぐに離職し
てしまうなんてことも今後もっと増えてくるかもしれません。
また、給与や休日にだけを求めるスタッフは、全員ではありませんが、会社への貢献意欲や仕事に対しての取り組みは、低いのではないかと私は考えています。
もちろん、企業規模が大きくなれば、それなりの「母数」が必要で、とにかく「人」を集めることが必要でしょう。
ただし、これから会社を強くしていきたい会社には、「給与」や「休日」を求めるスタッフよりも、「働きがい」を求め、自分をもっと高めたいという人の採用を目指す方が相性がいいのではと思います。
エンゲージメントを高める「9つのキードライバー」
そこで、この「エンゲージメント」というものに私は着目しているのですが、エンゲージメントとは、「社員・アルバイトを含めたスタッフ各人が仕事に対してどれだけ主体的、自発的に取り組めているかどうかの意欲」です。
ということは、会社全体で働く人のエンゲージメントを高めれば、働く人が「主体的、自発的」に仕事に取り組み、”やらされる”仕事ではなくなるわけですから、自ら動いて結果(成果)が出た場合、その喜びはより大きく、それが「やりがい」や「働きがい」となり、仕事が「楽しい」という状態を作り出すことができるでしょう。
では、どうやってエンゲージメントを高めればいいのか?
エンゲージメント、つまり、「働きがい」や「やりがい」を高めるための要素として「9つのドライバー」があると言われています。
※→以降は、「働く人」目線での評価基準となります。
1,職務→職務を通してのやりがいを感じられているか
→職務を遂行する上で必要な裁量が与えられているか
2,自己成長→仕事を通して、達成感を得られているか
→仕事を通して、能力やスキルを高められているか
3,健康→任された仕事量は適切か
→頭が痛い、イライラするなどのストレス反応がでていないか
4,支援→職務を遂行する上で必要なサポートがあるか
→自身の成長の手助けをしてくれているか
5,人間関係→上司は良好な関係が築けているか
→仕事仲間とは良好な関係を築けているか
6,承認→成果を認められたり褒められたりしているか
→自分の意見や発言を周囲が聞いてくれているか
7,経営戦略→会社の企業理念、経営理念に共感しているか
→会社の方針・戦略に納得できているか
8,組織風土→意欲的であれば、会社がチャンスを与えているか
→失敗したこと以上に、挑戦したことを讃えられるか
9,環境→働きやすい職場環境か
→必要に応じてライフスタイルにあった働き方ができているか
この1~9に対して、組織としてどう「働く人」にアプローチしていくか。そして、これらに対して「働く人」がこれらを感じて「働きがい」を感じているか?この取り組みが「エンゲージメント」を高めると言います。
さて、皆さんの会社では、上記の9つのキードライバーのうち、何個ぐらいは自信をもって「うちは、できている」と言えますか?
ぜひ、エンゲージメントに着目し、「働きがい」「やりがい」を与えることで、社員の離職率を低下、定着率のアップを図りませんか?