●アルバイトの初期教育を店長に任せてはならない!
 

3月も20日を過ぎ、この時期はアルバイトさんの入れ替えがどこのお店でも多くなっているのではないでしょうか?
 
最近は採用に苦心する店が多いようですが、たとえ採用人数が少なくとも、アルバイトの「初期教育」を間違った方法で行うと、離職に繋がったり、その後のアルバイト自体の成長にも大きく関わってきますので、アルバイトの「初期教育」というのは、実は非常に重要な仕事なのです。
 
 
20年近くアルバイトの初期教育を見てきましたが、断言します。
この大事な仕事を絶対に店長に任せてはいけません!
 
しかしながら、この大事な仕事を、店長に任せっきりにしているお店、会社が多いのが実情。なので、採用をせっかく強化してもすぐに辞めてしまうアルバイトさんがいたり、教育も思うように進められないのです。
 
 
さて、そもそもなぜ初期教育を間違うと、離職に繋がったり、その後の成長に関わってくるのか?少し整理しておきましょう。
 
 
まず、離職に繋がってしまう理由ですが、どのアルバイトさんも入店時は「不安」な状態で仕事にきます。
 
誰も知った人もいないですし、どんな仕事をすればいいのかも分からない状態です。にもかかわらず、誰もサポートもつけなかったり、簡単な仕事から丁寧に教えなかったり、また、シフトに関しても「人がいないから・・・」と忙しい日にいきなりシフトにいれてしまったり・・・・。
 
このようなことが入店後、すぐに起こると、アルバイトさんは「自分が全く役に立たないし、うまくやっていく自信がない・・・」と思うようになり、辞めてしまうのです。頼る人がいなかったり、丁寧に仕事を教えてもらえなかったら、そりゃ、辞めてしまいますよね?
 
 
それともう一つの、「アルバイトのその後の成長に関わる」ということに関してですが、なんでもそうですが、最初に「ユルイ」という印象をアルバイトに与えてしまうと、途中からどれだけ厳しくしてもついてきません。
 
だからこそ、最初に、店のルールを守ることやお店の考え方を丁寧に伝える必要があり、ここを疎かにしてしまうと、せっかくのいい人材(アルバイト)を潰してしまうことにもなるのです。
 
また、最初に「何を教えるか」、「どう教えるか」もとても大切です。
 
例えば、「注文伺い」という仕事を教える際に、最初にハンディの打ち方や店のルール(●●という商品の注文の際は、××を聞かないといけないなど)を徹底してしまうと、実際に店に出たときに、ハンディの操作ばかりを気にしてしまうようになるのです。
 
注文伺いで最も大切なことは、元気に、ハキハキと、笑顔でお客様から間違いなく注文を伺うこと。
 
なのに、ハンディ操作ばかり気にしていると、お客様は事務的に感じたり、逆にちゃんと聞いてくれているのかと不安に感じたりと、何もいいことはないのですが、人は最初に教わったことを重視する傾向が強いので、このようなアルバイトになってしまうのです。
 
つまり、最初に「何を教えるか」をきちんと社内で共有しておかないと、アルバイトさんは、変なクセが身についてしまう恐れがあるのです。
 
 
 
さらに、「どう教えるか」ということも大切です。
 
あるご支援先で、ドリンク場の仕事をさせている際、「最初はゆっくりでもいいから、1週間後には、生ビール3杯とレモンサワー5杯を1分20秒以内に作れるようになろうね!」という目標設定をしたアルバイトと、何も目標を掲げず、ただ「ドリンクを作る」ことだけをさせていたアルバイト。
 
1か月後、どうなったかといえば、目標を与えて仕事に取り組ませたアルバイトは、とにかくどんな仕事もスピードを意識して仕事をするようになり、店内もキビキビと歩いたり、テキパキとどんどん仕事をこなうようになりました。
 
もう一方の何も目標を与えず、ただ作業的に仕事をさせていたアルバイトは、いつまで経っても、ドリンクを作るスピードは上がらず、また、他の仕事に関してものんびりと自分のペースを仕事をやるだけで、正直、店の戦力にはなっていない状態でした。
 
このようにちょっとした教育方法の違い、つまり、「どう教えていくか」の違いが、アルバイトの成長に大きな差を生み出してしまい、これは、人件費にも大きく影響するようになるのです。
 
 
だからこそ、この大切な「アルバイト初期教育」を店長任せにするのではなく、会社側が主体的になって、「アルバイトの初期教育」をプログラム化する必要があるのです。
 
 
 
さて、あなたの会社では、「アルバイト初期教育」。社内で共通の教育プログラムが存在していますか?店長に丸投げの状態だと、いつまでたっても採用費が無駄になるばかりか、人件費の高騰にも繋がっている可能性がありますよ!