●店長が自分の話を「聞いている」「理解している」と思ってはならない!

私の支援先は、10店舗未満の飲食企業がほとんどです。

個人事業からスタートし、「企業化」しようとしている最中ですので、まだまだ企業として確立されておらず、仕事のやり方も未熟なところが多いのが現実です。

その中で、特に、社長さんや幹部さん、マネージャーなどにしつこく話すことが、「チェック」の重要性についてです。

逆に言えば、「チェック」「確認」をすることがほとんどなく、店長に指示を出しても、「指示の出しっぱなし」ということが多く、現場で指示がしっかり守られているかを「確認」する人は、非常に少ないのです。

なぜ、「チェック」が非常に大切かと言えば、未熟な店長ほど、「指示を指示通り受け取れない」人が多いからです。上司の側からすれば「これぐらい分かるでしょ」と思うことが、実際に上手く伝わらず、現場に行くと「全く違うことをやっていた」もしくは、「何もしていない」ということがよく起こるからです。

現場が「指示したことがきちんと行動できていない」ということは、よくあると思うのですが、これは「指示の出し方」にも問題はありますが、半分は、「受け取り手」の問題も実はあるのです。

そして、その原因は、基本的には、「話を聞いていない」ということと、「話を理解できていない」ということが上げられます。

「いやいや、みんなしっかり聞いていますよ」

という声が聞こえてきそうですが、実は、「聞いているフリ」をしているだけで、内容を理解して聞いている人は本当に少ないのが現実なのです。

だから、「なんで、指示したことができないんだ」と上司の方がよく話されるのですが、それはそもそも上司の話を聞いていないし、理解していないから、指示されたことができるはずがないのです。

この状態を改善するためには、指示を出した際の相手の姿勢(聞く態度)を改善させることがやるべきこと。

指示を出したときに、メモをきちんと取らせたり、指示した内容を本人にもう一度話させたりと、「こんな基本的なこと?」と思うかもしれませんが、これを徹底しないと、「やるべきことを確実にやらせる」ことはとても困難なのです。

また、仕事に対する価値観を共有することや、仕事の進め方などに関しての「共通言語」を社内で共有するようにして、社長や幹部の話が理解できるような「頭の中の構造つくり」も店長教育においては非常に重要な要素となるのです。

さて、こう考えると、お店のチェックなく、「店長に任せっぱなし」にしているのは、怖いと思いませんか?

だからこそ、本部からの指示が適切に実際されているか、こちらの意図がきちんと伝わっているかを定期的にチェック、確認するということは、非常に大切な仕事になるのです。

あなたの会社で、「会社の指示が思うように伝わらない」と感じておられるようでしたら、指示の出し方、指示の受け方の工夫をすることと、現場への定期的(最低1週間に1回は訪問が必要)な訪店をルーティン化するようにしましょう!